2014年4月26日土曜日

MIT が3Dプリンティング夏期講座開催

米国マサチューセッツ工科大学( MIT )は今夏、「積層造形:3Dプリンティングから生産現場まで」と題した5日間の夏期講座をケンブリッジ市内の同大学本部校舎にて開催するとこのほど発表した。

これは継続教育( CE )プログラムの一環として、機械工学や製品設計に携わる幅広い分野のプロフェッショナルを対象にした集中講座。機械工学を教える John Hart 教授が、3Dプリンティングの歴史からポリマーや金属、セラミックといった各素材における積層造形( AE )の原理から、医療、建築、宇宙開発分野にまで広がった AE の実地応用と業界の最新トレンド、そして AE の将来像まで、多岐に渡る広汎な分野を包括的に扱う。5日間のコースでは同教授による講義の他に、最新鋭のデスクトップ3Dプリンターの実機に直接触れて、3Dプリントの体験もできる。

開講日は6月21日で、受講費用は1人 4,000米ドル。5日間の全課程修了者には修了証書と CE 履修単位、MIT プロフェッショナル・エデュケーションの卒業生ネットワークへの参加資格が授与される。

MIT は、積層造形の基礎技術開発の歴史に長く関わってきた。3Dプリンティングと、同技術が及ぼす生産工程への影響を学ぶ場として、ここほどふさわしい場所はないだろう。

2014年4月19日土曜日

メリーランド州に3Dプリントラボがオープン

コロンビア発:米国東海岸のメリーランド州ハワード郡に 17日、最新の商用3Dプリントラボ3Dメリーランドがオープンし、テープカットが行われた。モノ作り革命の推進のみならず、同州への新たなビジネス誘致への期待も高まっている。

「イノベーションおよびプロトタイピングのための3Dラボは、メリーランドのビジネスに大変革をもたらすでしょう」と、事務局長の Jan Baum 氏。同氏は、この3Dプリントラボ完成によって、メリーランド州の小規模事業主および起業家は最新の3D技術の恩恵をうけることになると語る。たとえば同ラボには、プラスター粉末を用いる粉末積層造形方式の大型3Dプリンターを用意している。「フルカラー対応プリンターなので、写真そのままの肌色、唇の色でプリントアウトできます。でもこれは写真ではありません。現実の立体なのです」。

3Dモデリングサービスを提供する SURVICE Metrology の Joel Witman 氏も、レーザー光で造形した作品を展示していた。「頭のなかで思いついたモノをモデリングし、それを3Dプリンターに送信して出力されるのをこうして見られるのはすばらしい」。

Baum 氏は、この「3D革命」によってメリーランド州の競争力が一段と高まり、小規模事業者も成長できるはずだと述べている。

同ラボでは今夏、3Dプリンターに関心のある人を対象に、体験ワークショップ開催を予定している。

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2014年4月17日木曜日

iPhone で遠隔監視可能な第5世代 Replicator

MakerBot Industries ( MKRBOT )は 4月10日、iPhone で遠隔監視可能なデスクトップ3Dプリンターの第5世代 Replicator シリーズおよび3Dスキャナーの Digitizer、3Dレンダリング / アニメーションソフトウェアの KeyShot 最新版などが体験できるインストアイベントをボストン市内に昨年 11月にオープンさせた直営店( ニューベリー・ストリート店 )で実施した。

第5世代 Replicator は 3.5インチ LCD ディスプレイと操作ダイヤルを装備、ユーザーフレンドリーな操作性を実現化させた。最大造形容量も第4世代モデルより 11% アップし、造形処理の高速化も図られている。3Dデータは SDカード経由ではなく イーサネットと USB 経由となり、近日中に Wi-Fi にも対応予定。

また、新機能としてハウジング内部に Webカムを内蔵、純正 iPhone アプリ「MakerBot Mobile for iPhone」経由でプリント工程の遠隔確認も可能。この iPhone アプリは近日中に公開される。販売価格は 2,899米ドル。

Makerbot は Replicator シリーズとして「Replicator mini」および「Replicator Z18」も用意している。価格はそれぞれ 1,375米ドルと 6,499米ドル。

イベント当日の店内でデモ用として稼働していた Makerbot の各種3Dプリンターが出力したオブジェクトはほとんどが樹脂製の小間物の類だったが、中には実物大の日本の兜やリスをかたどったチェスの駒、ピンクのギター、吸盤まで精密に再現したタコや大聖堂の模型なども展示されていた。ギターは大きいため3つの部分に分けてプリントされ、すべてのパーツが完成するまで 17時間かかったという。また同店で取り扱っている3Dプリント商品には、ボストンレッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークと同球場名物の「グリーンモンスター」の再現模型や、前面に突き出たスピーカーの角度を変えて最適な音量で音楽を楽しめる iPhone 用ドックも用意されている。

MakerBot はこれから公開予定の純正 iPhone アプリの他に、同社運営の3Dデザインデータ共有サイト Thingiverse 上に公開されている3Dモデルをブラウズできる iPhone アプリも配布している。

「Makerbot Digitizer」は3Dプリントしたい対象物をターンテーブル上に置いて3次元スキャンする3Dスキャナー。スキャン可能最大サイズは8インチ四方で、同社製3Dプリンターでプリント可能な3次元モデルを誰でも簡単に作成することができる。また MakerBot 直営店舗では3Dプリントサービスも提供している。

まもなくイースターホリデーがやってくる。ボストンの同直営店のウィンドウは様々な色彩の素材で3Dプリントされたイースターエッグで飾られている。うち1つのウィンドウ前には屋根から吊るされた3Dプリンターまで展示され、実際にオブジェクトをプリントアウトする様子を道行く人も楽しめるようになっている。

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2014年4月14日月曜日

Staples が3Dプリントサービスの試験運用を開始

米国の事務用品サプライチェーン大手 Staples ( SPLS )は3Dプリンター製造大手 3D Systems ( DDD )と提携して、同社の運営するニューヨークおよびロサンゼルスの2店舗で3Dプリントサービスを10日から試験的に開始すると発表した。

自前の3Dデータファイルを上記2店舗( ニューヨーク市マンハッタン5番街店およびロサンゼルス市ウィルシャ・ブルバード店 )に持ち込めば、その場でプリントアウトしてもらえる。

「文字通り何百万というスモールビジネスおよび一般顧客にとって、3Dプリント技術は恩恵をもたらすはず」と、Staples のビジネスサービス部門上級バイス プレジデント Damien Leigh 氏は述べる。「様々なビジネスに従事されている皆さんに伝えたいのは、ほんの僅かなコストで3Dプリントが可能だということ。現時点ではこのことがよく理解されていません」。

Staples の上記2店舗では体験スペースを設けて、実際に稼働中の3Dプリンターに触れることができる。3D Systems の派遣スタッフおよび研修を受けた Staples 店舗スタッフが常駐して顧客のサポートに当たる。

店舗には3Dプリンターが複数台用意され、持ち込まれた3Dデータをその場で出力するが、大がかりなデザインデータは 3D Systems へ外注され、完成品が発注した顧客の許に届けられる。店舗内の3Dプリンターで取り扱える素材はプラスチック樹脂など6種類。

現時点で Staples 側はこの試験サービスの価格について、造形物の複雑さの度合いや、使用素材の数量等によって大きく変動するため、詳細は明らかにできないとしている。Leigh 氏によると、造形物によってはほんの数ドル程度で済むが、「3Dプリントギター」の場合は数千ドルの出費になるだろうという。すでに Staples 店舗で先行販売している3Dプリンター自体の価格は、最も廉価な機種で 1,500 米ドルだ。

Staples は、今回の試験運用がうまく行けば、同様の3Dプリントサービスを他の店舗にも拡大するとのこと。

参照元記事1.
参照元記事2.

2014年4月12日土曜日

いずれは「心臓」も3Dプリント可能に? 

米国の科学者チームが3Dプリンターを使用して作成に取り組んでいるのが、ヒトの心臓だ。

ケンタッキー州ルイヴィル大学の細胞生物学者 Stuart Williams 博士は、1990 年代から3Dプリント技術の医療への応用を模索してきた。父親を鬱血性心不全( CHF )で亡くした経験があり、同博士における3Dプリント技術応用の関心は、血管や心内構造物、果ては「心臓を3Dプリントで作れないか」という事へと移っていった。

「心臓は非常に限られた数の細胞からできており、その役割も収縮と鼓動の2つしかない。3Dプリントするにはもっとも簡単、とは行かないまでも、もっとも手軽な組織の1つだ」と Williams 博士は述べる。

現時点までに Williams 博士率いるルイヴィル大学チームはヒトの心臓弁と小静脈の3Dプリントに成功し、昨年には、マウスの心臓の一部および血管の作成および移植試験にも成功しているという。

Williams 博士は、心臓全体の作成には3-5年はかかるとしている。ルイヴィル大学チームが作成を試みている人工心臓は患者自身の脂肪細胞と人工物の混成( bioficial heart )であり、拒絶反応の心配もない。3Dプリントされた心臓のヒトへの臨床試験は、10年以内に可能になるだろうとしている。




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参照元記事2.

2014年4月7日月曜日

独 SLM が新規株式公開へ

ドイツ発:ハイエンド3Dプリンターメーカー SLM Solutions は、フランクフルト証券取引所に新規株式公開( IPO )を計画している。同社によれば、IPO によって、7,500 万ユーロ( 約106 億円 )の資金調達が可能となり、さらなる飛躍が見込めるという。

3Dプリント技術自体はすでに四半世紀以上の歴史があるが、Stratasys が所有していたFDM などの主要特許が 2009年に失効したのを機に一気に普及し始めた。3Dプリンターの持つ潜在力に対する関心が高まる中、SLM は株式を上場することになる。

3D Systems、Stratasys、ExOne、Voxesljet AG といった大手3Dプリンターメーカーは、従来、メーカーの生産現場で使用されていたこの技術を一般コンシューマー市場向けにシフトさせ、連動するようにこれらの企業の株価も急伸するようになった。

リューベックに本拠を置く SLM は、選択的レーザー積層造形( SLM )を専門とする3Dプリンターメーカー。これは、金属の微粒子粉末にレーザーを照射して、3次元オブジェクトを生成する方式だ。

株式上場は通常、企業の上場発表から4週間後になる。

SLM は今回の IPO に向けて Credit Suisse、Deutsche Bank の両行とすでに契約を結んでいる。他にも BHF、Conaccord Genuity、Equinet Bank AG といった金融機関とも連携して上場準備を進めている。

同社の 2013年会計年度の売上は 2,160万ユーロ( 約 30 億 5,000万円 )で、「利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前利益(  EBITDA  )」は 250万ユーロ、純損失は 40万ユーロだった。従業員数は 80人で、主要取引先は自動車、航空、建設、家電、歯科医療産業など幅広い。

昨年、企業買収の DPE Deutsche Private Equity グループが同社株式の 57%を保有し、現在も資金供給を続けている。残りの株式は創業者らが所有している。同社の広報担当者は IPO に際し、現在の株主たちが、保有している同社株を市場に売却するかについては不明、としている。

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2014年4月5日土曜日

3D グルーペン、「3Doodler」が英国でも販売開始

3次元オブジェクトが描ける3D グルーペン、「3Doodler」が英国の家電販売チェーンの Maplin から独占販売される。オンライン販売は Maplin サイト内専用ページで受け付けている。店舗販売の開始時期は今月 20日を予定している。販売予定価格は 99.99 GBP( 約17,200円 )。

この「3Doodler(「落書きする人」を意味する doodler から )」は、米国 MIT メディアラボ出身の Peter Dilworth 氏らが 2011年に設立したベンチャー WobbleWorks が Kickstarter 上で公開した開発プロジェクト。同開発プロジェクトは 234万米ドルという驚異的な資金調達に成功し、2013年末には同プロジェクトのバッカー向け出荷が始まっていた( WobbleWorks 側が当初見込んだ調達資金額は 3万ドルだった )。

英国における Maplin の独占販売契約権の消失時期については、現時点では不明。米国在住者は開発元の WobbleWorks サイト上で購入できる。

「3Doodler」は、3Dオブジェクトを「描く」ように簡単に作れるようにしたペンだ。必要な物は AC電源と、ABS / PLA の専用フィラメントだけだ。



この「3Doodler」、日本国内でもナカバヤシが今月下旬より 16,000円で販売を開始するとのこと。

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