2014年8月31日日曜日

3Dプリント人工頭骨で損傷した頭部を復元!

中国発:陝西省の省都・西安市の病院でこのほど、転落事故で頭蓋骨の一部を失った男性に、3Dプリンターで出力したチタンメッシュの人工頭骨を移植する世界初の手術が行われ、無事成功した。

この移植手術を受けたのは、46歳の農民の男性。地元メディアの報道によると、この男性は昨年10月、建物の3階から誤って転落した際、左前頭葉側の頭骨が陥没するなどの重傷を負ったため、外科手術で損傷部分を除去せざるを得なかった。この転落事故以来、男性は視力と会話に障害が残った。

執刀医チームは今回、この事故で失われた部分を3Dプリンターを使って復元することを試みた。同チームはこの復元手術により、男性の頭部が以前と同じ状態になり、外科手術後の精神的外傷の軽減も期待している。

参照元記事

2014年8月28日木曜日

ロシアで3Dプリント下着がお目見え

ロシア発:ロシア議会は先月発効の新衛生規制法によって、国民から批判を浴びている。新衛生法は、化学繊維の混合割合が高いレース下着の国内生産および流通を禁ずる、というもの。だが、この新規制が気に入らない向きには、まだ対抗手段は残されている ―― 3Dプリンターで自作すればよいのだ。

今月、デザイナーの Viktoria Anoka 氏はモスクワに本拠を置く 3DPrintus に、ドイツのランジェリーブランド Lascana がサンクト ペテルブルクで開催されるテクノロジー展「Geek Picnic」に出品するパンティーを3Dプリンターで製作した。

「今まで受けた依頼で一番クレイジーだった」と 3DPrintus の創業者で CEO の Konstantin Ivanov 氏。3か月以上を費やしたこの企画は、ロシア初の3Dプリントパンティーとなった。

モデルの1人 Anastasia Belousova 氏は、この3Dプリントパンティーを「面白いけど、日常用途には不向き」と評した。

現在、モスクワ市内には 3DPrintus のような3Dプリントサービスを提供する企業が十数社ある。3DPrintus ではデザイナーに3Dデータを同社の運営するオンラインプラットフォームにアップロードしてもらい、顧客がその製品と素材を選択し、プリントを依頼する。「クリエイターにとっては工場生産するより安価に製品を公開できる」と同氏は言う。

3DPrintus では現在、ステンレススチール素材から出力するサービスも行っている。金や銀といったパウダー状にした貴金属素材からの造形も試験中で、複雑な形状の作成も可能だ。記者も全身の3次元スキャンデータを基に「3D自分撮り」を作ってもらった。精密な3Dメッシュデータがモスクワ郊外の大きな倉庫に設置された3Dプリンターに送信され、1週間後、「3D自分撮り」フィギュアが完成した。
服の皺から靴の細部に至るまで、そのディテールの再現度は目を見張るほどだ。

3Dプリントに関しては、たとえば銃砲類の違法製造などの危険かつ破壊的な使用目的に悪用される恐れがあることも事実だ。樹脂製の3Dプリント銃は、空港のセキュリティチェックもすり抜ける可能性がある。

今のところ、3DPrintus は女性用下着といった安全な製品のみ請け負っている。Ivanov 氏は、3Dプリントが既成の大量生産システムの代替になるという考えを一蹴するが、オーダーメイドで、しかも手頃な価格で手に入れられるという発想自体は魅力的だと語っている。

参照元記事

2014年8月26日火曜日

Sculptify がフィラメントフリーのデスクトップ3Dプリンター「David」を開発

米国コロンバス発:オハイオ州コロンバスに本拠を置く3Dプリンターベンチャー Sculptify は現在、Kickstarter 上で新コンセプトのデスクトップ3Dプリンター量産化に向けた資金調達を展開中だ。

新開発3Dプリンター「David」最大の特徴は、市販のFDM方式デスクトップ3Dプリンターに広く採用されている樹脂フィラメントを一切使用せず、その原料である樹脂ペレットをそのまま素材として採用した点だ。

従来のフィラメントスプール方式では、プリント途中で素材や色を変更することはできない。ペレットをフィラメントに加工するためのコストもかかる。この「David」ではそういった制約を解消し、なおかつコストダウンも実現するという。

現在、「David」試作機では ABS や EVA といった樹脂素材から木質配合素材まで様々な素材のペレットでテストを繰り返している。「David」用ペレットは約1kg( 2.2ポンド )ずつ袋詰めされて販売する予定だが、「自作ペレット」を投入することも可能だという。ペレット1袋の販売予定価格は 18米ドル。ちなみに市販のフィラメントスプールの価格帯は30-48ドルだ。

「David」で最もエキサイティングなのは、硬い樹脂素材に限定されないことかもしれない。「David」では樹脂素材の他、ゴムのような柔軟な素材からも造形が可能。最終的にはプリント途中での素材の切り替えおよび色の変更をできるようにするという( 素材や色を変える時はプリンターを停止させ、ホッパーからペレットを排出して別のペレットに入れ替える )。同社ではこれらの機能をすべて盛り込みたいとしている。

ただし、このプロジェクトでネックになっているのが、最低募集出資額の高さ。たとえば M3D LLC の「The Micro」の時と比べてみればその差は明らかだ。「David」は現時点で57,589ドルの出資申請を受けているが、目標金額の 10万ドルにはまだ道半ばだ。募集期間は9月19日まで。

フィラメントスプールの代わりにペレットを直接使用するという同社のアイディアは、間違いなく3Dプリンターにさらなる魅力を付加するだろう。ペレット素材がローエンドの3Dプリンターにまで波及すれば、デスクトップ3Dプリンターの未来像はもはやフィラメントではなく、ペレットで描かれることになるかもしれない。



参照元記事

2014年8月23日土曜日

ルイジアナ工科大学チームが3Dプリントの「ビーズ」作成に成功

米国発:3Dプリント技術の医療分野への応用は日増しに拡大している。義肢やインプラント、果ては人体細胞自体が3Dプリントされ、治療に活用される事例も見られる。このような医療分野のイノベーションが急速に進んでいるにもかかわらず、その多くは本体だけで 300万米ドル以上もする高価な積層造型機が必要なことがネックになっていた。

ルイジアナ州ラストンのルイジアナ工科大学( LTU )生体工学およびナノシステム工学研究者チームはこのほど、MakerBot 等の廉価なデスクトップ3Dプリンターで「ビーズ」と呼ばれる、狙った部位に抗生物質を的確に投与するインプラント作成に成功したと発表した。これは癌患者や感染症患者の治療法を根本から変えるかもしれない。

従来の「ビーズ」は、執刀医が骨セメントと抗生物質との配合剤として外科手術中に作られるが、これには発癌性物質が含まれ、また体内で吸収分解されないので、薬剤放出後のビーズを取り出すための手術も行う必要がある。今回、ルイジアナ工科大学チームが編み出した新方式は、バイオプラスチックを3Dプリンター用フィラメントとして生成し、そこに必要量の抗生物質を添加したビーズを作成するというものだ。

この方法では個々のケースに最適な形状のビーズが作成でき、配合する抗生物質や化学物質の分量もその都度調整可能で、副作用の軽減も期待される。そしてなにより画期的なのは、同開発チームの作成した生体適合性フィラメントとエクストルーダーは MakerBot 等、ごく普通のデスクトップ3Dプリンターに簡単に装着可能なことだ。

参照元記事1
参照元記事2

2014年8月18日月曜日

大型物の造形可能な RepRap FDM デスクトップ3Dプリンター「Maximus XL」

フランス発:3Dプリンター市場における FDM 方式デスクトップ型機種の進化と革新には目覚ましいものがある。その立役者として、個人的には RepRap ムーヴメントがあると考えている。事実、FDM 方式デスクトップ3Dプリンターで最もよく売れている MakerBot でさえ、RepRap をベースに開発された3Dプリンターなのだ。

リヨン近郊マングリュー在住の Micheal Ipas 氏と同氏の会社 MyTechno3D は、その RepRap フレームワークをベースに、大型オブジェクトの造形が可能なデスクトップ3Dプリンター「Maximus XL」を開発している。現在、Ipas 氏は Indiegogo 上で「Maximus XL」の資金調達中。目標金額は2万ユーロで、期間は9月24日まで。同氏によれば、同試作機はこれまでのところ良好な仕上がりで、目標額達成後は速やかに生産体制を整えるとしている。

「Maximus XL」の主な仕様は次の通り。

本体サイズ:500x500x500mm
最大造形サイズ:430x330x250mm
電子回路:RAMbo Board、 Nema 17 ステッピングモーター
フィラメント:ナイロン、ABS、PLA、レイウッド、いずれも最小径 φ=0.2mm
オートレベル調節機能搭載

「Maximus XL」の組み立てキットの内容は電子回路、本体フレーム、3Dプリントパーツ、モーター、ホットエンド、配線、電源となっている。このプロジェクトの出資者は、その金額の多寡に関係なく、購入後1年有効のフリーアップグレード権が提供される。アップグレードの際、ハードウェア等の提供を受ける場合の送料は出資者の負担となる。

2014年8月17日日曜日

Disney Research が3Dプリンタブルで簡単に作れるアニマトロニクス アプリを開発中

米国発:Walt Disney Company 傘下の Disney Research は目下、3Dプリンターで複雑な3次元アニマトロニクスモデルを簡単に作成可能にするアプリケーションソフトをコロンビア大学およびスイスの研究者と共同で開発中だ。

同ラボはこの開発中のアプリについて、このほどその概要を公表した。それによると、シンプルな機械機構を動かすだけで実際の生き物の関節動作を模倣する3次元アニマトロニクスモデルが作成可能になるという。

開発中のアプリは、まず作成したオブジェクトに希望する動作を実行させるための動作線を設計する。あとはアプリ側が自動でその動きを実行する上で必要な最低限の動力点を割り出す。3Dモデルと必要な動作線がプログラムに入力されると、その実行に必要な動力点が示される。今回開発したアプリでは、この動力点を連接棒に置き換え、最終的に現実の動物に見られる関節と同じ動きを実現させる。

まず画面上でどの動力点を外すかを決め、次に2つの未連結の動作部を選ぶ。動作部同士の連結が生成され、連結部の機械的な動きが再現される。他の結合法も数種類生成され、ユーザーは最適な結合法を選択すればよい。

このアプリの最終目標は、たった1つの動力点だけで各連結部の動作を制御することにある。このアプリは、たとえばディズニーランドの等身大アニマトロニクスへの応用ももちろん考えられるが、3Dモデリング プログラムに統合すれば、それまで考えもつかなかったような動作が一挙に可能になるオブジェクトの製作が一般ユーザーにも簡単にできるようになるだろうし、多数の可動部から成る極めて複雑なオブジェクトも、一度の3Dプリントアウトで製作可能になるだろう。




参照元記事

2014年8月16日土曜日

ヴァージニア州でロボット工学と3Dプリンター講座が今秋開講

米国発:ヴァージニア州ロアノークにあるニューリバー・コミュニティ・カレッジ( NRCC )は今秋、ロボット工学および3Dプリンターの公開講座を新規開講する。

両講座共に誰でも無条件で受講が可能。ヴァージニア州住民は各講座がそれぞれ 400米ドルで受講できるが、州外の学生は割増となる。


「産業ロボットプログラミング」と題されたロボット工学クラスは毎週月曜日-水曜日開講で、時間は午後 3:30-5:30。「デスクトップ マニュファクチャリング テクノロジー」と題された3Dプリンター講座の方は毎週火曜日-木曜日開講で、時間は午後 3:00-5:30。

会場は、ロボット工学コースが同大学メインキャンパスのあるダブリン、3Dプリンターコースがクリスチャンバーグにある同大学ニューリバーヴァレーモール校。

ロボット工学クラスでは、単純なプログラミング演習を通じて、FANUC 製の訓練用産業ロボットを実際に動かし、物体のソーティング方法などを学ぶ。


3Dプリンタークラスでは初心者から、すでにある程度経験を積んだユーザーまで幅広い層を対象とする。講師の Jeff Levy 氏は、基本的には受講者が自由に3D CAD データを作成し、それに基づいて実際にプリントアウトしてもらいたいと考えている。3Dプリンター講座にはすでにヴァージニア テック コーポレート研究センター( VTCRC )内の各企業や、3Dプリンターに関心のある一般からの問い合わせが来ているという。

Levy 氏は、受講生には同大学に新設されたプリントラボにある6台の3Dプリンターとレーザーカッターを使用して3Dデザインや3Dプリントを体験してもらいたいとしている。

受講申請は今月 25日まで受け付けている。

参照元記事

2014年8月15日金曜日

3D Systems がオハイオ州に最新フィラメント生産拠点を稼働開始

米国サウスカロライナ州発:ロックヒルに本拠を置く3Dプリンター製造大手 3D Systems は 14日、オハイオ州バーバートンに同社プリンター用フィラメント製造の最新工場を稼働したと発表した。新工場の稼働により、同社のフィラメント生産能力は2倍になる。

同社によれば、新工場は面積約 9.3km² で、同社が昨年買収した Village Plastics Co. の持つ技術を最大限活用したフィラメント素材の最新鋭生産拠点になるという。新工場では、ラッパーの will.i.am 氏とのコラボ製品でもある「EKOCYCLE Cube」専用のリサイクルペットボトルフィラメントと、プロユース向け3Dプリンター「CubePro」用フィラメントを製造する。

3D業界調査会社 Smartech Markets は、フィラメントポリマー市場は現在、約 3億1,000万米ドル規模だが、5年後には5倍近い 14億ドル規模に拡大すると予想している。業界にとって、3Dプリンター用素材市場は重要だ。素材の性能は、プリンター性能と同等に出力結果を左右する要因になる。

3D Systems の「Cube」シリーズは専用カートリッジ方式を採用している。この、2Dプリンター製造ではよく見られるビジネスモデルが3Dプリンター製造でも利益向上につながるか、それともフィラメントの選択肢が多い製品へと顧客が流れるのかは興味あるところだが、バーバートン市長の William Judge氏は大歓迎を表明している。

「3D Systems が我が市に新工場を立地したことを大変喜んでいる。これは、同社が地元の生産拠点と雇用を創出するという強い決意の現れだ」。

3D Systems はここ数年、企業買収を積極的に推進しており、オクラホマ州に本拠を置く American Precision Prototyping および American Precision Machining も含め計 45社を傘下に収めている。

参照元記事

2014年8月12日火曜日

Fracktal Works が新型 FDM方式3Dプリンターなど3機種を発表

インド発:マニパール工科大学生の Vijay Raghav Varada、Rohit Asil 両氏によって2013年に設立されたスタートアップ Fracktal Works は先月、同社初の FDM方式デスクトップ型3Dプリンター「Julia」を発売したばかりだが、数週間後の発売を予定している新しいデスクトップ型3Dプリンター「Snowflake」を皮切りに、チョコレート加工用プリンターおよび SLA方式3Dプリンターも順次発売すると発表した。

同社 CEO の Abhishek Trivedi 氏によれば、Fracktal Works は「学生によって設立され、25名の現役学生によって運営されている。製品デザインと製品開発に最も力を注いでおり、ユニークかつ美しい、手頃な価格で手に入れられる製品」を目指しているという。

「Snowflake」は FDM方式のデスクトップ型3Dプリンター。最大造形サイズは 15x15x20cm、出力速度は毎秒 100mm、層間解像度は 100μm、ノズルは φ=0.3mm、フィラメントは φ=1,75mmの PLA樹脂。販売予定価格は 35,000-40,000インドルピー( 約570-650米ドル)。

また同社は、インド初となるチョコレート専用3Dプリンター( 現時点では試作機段階 )の発売も 2015年初頭に計画している。チョコレート用プリンターとしては比較的大型で、最大造形サイズは20x25x25cm、出力速度は毎秒 70mm、層間解像度は約300μm、ノズルは φ=1mm。価格は5万インドルピー( 約820ドル )を予定している。


最後の SLA 方式プリンターについては、インド初のハイエンドかつスマートデザインの商用 SLA3Dプリンターとして開発中であり、今年後半か来年初め頃の発売を目指している。この新型 SLA3Dプリンターの最大造形サイズは 20cm³、出力速度は毎秒600mm、層間解像度は 50μm、価格は 20万インドルピー( 約3,250ドル )を予定している。


また Fracktal Works は、デュアルヘッドを装備した他素材、マルチカラー対応の新型3Dプリンターの開発も計画しているという。


参照元記事1.

参照元記事2

2014年8月11日月曜日

ポーランドの Tytan 3D がセラミックを含む他素材対応デルタ型3Dプリンターを発表

ポーランド発:Tytan 3D はこのほど、セラミック、紙、樹脂、粘着材を含む多様な素材に対応した大型デルタタイプ3Dプリンター「Delta Ceramic 3D Printer」を発表した。

開発者の Janusz Wojcik、Pawel Rokita 両氏は Tytan 3D の共同設立者で、2人の名前はポーランド国内の3Dコミュニティでは広く知られている。今回発表された新型デルタプリンターは、3月にキェルツェで開催されたイベントでベータ機が披露されていたが、その後5か月かけて様々な改良が施された。

「Delta Ceramic」は同社が Indiegogo 上で資金調達キャンペーンを行っている独自開発の金属製エクストルーダー「Goliat」を搭載可能な仕様になっている。「Goliat」ヘッドを取り替えることで、デザイナーや教育機関、ホームユーザーまで幅広いユーザー層に対応する。

フレームはアルミ製で、駆動モーターと電気パーツ類は本体上部に組み込まれている。カートリッジ式なので、カスタムメイドの素材も使用可能で、ノズルサイズも選べるので、異なる解像度の仕上がりも可能だという。主な仕様は次の通り。

最大造形サイズ:φ=20cm、高さ=35cm 
本体寸法:高さ 110cmX底面 60cmX60cm
重量:50kg
エクストルーダー:容量15kgタンク付「 Pierwszy extruder 」および「 Drugi extruder 」用樹脂素材カートリッジ( 粘土素材 310ml 装填可能 )
ノズルサイズ:1 mm, 1.5 mm, 2 mm 




参照元記事

2014年8月10日日曜日

Stratasys が第2四半期決算発表、株価も急上昇

米国発: ミネソタ州ミネアポリスに本拠を置く Stratasys Ltd ( NASDAQ:SSYS )は現地時間8月7日、2014会計年度第2四半期決算を発表した。

それによると、今期の純売上高は前年同期比 68%増の1億7,850万米ドルで、1億5,660万ドルと見込んでいた市場予想を上回った。要因として、同社の企業向けハイエンドプリンター群に、昨年買収した MakerBot ブランドのコンシューマー向け低価格製品群がラインアップに加わった相乗効果が挙げられるが、同社によれば、今年度の既存事業の売上も少なくとも 30%は上昇すると見ている。これは前回発表の業績見通しに比べ、5%の上方修正になる。

今年度第2四半期(6月30日締 )における MakerBot ブランドの売上は前年同期比の2倍の 3,360万ドルで、Stratasys 総売上に占める割合も前期比5%増の 19%に達した。

また、同社の通年業績予想ガイダンスによれば、1株当たり利益( EPS )は 2.25-2.35ドルで、これは以前の予測を 0.1ドル上方修正している。売上予測も当初の6億6,000-8,000万ドルから、7億5,000-7,000万ドルへと修正した。

本年度第2四半期の同社は MakerBot の欧州展開に伴う出費がかさんだものの、ハイエンド機種の好調な販売が損失を相殺した格好だ。純損失は前年同期の 280万ドルから17万3,000ドルへと圧縮され、今期 EPS は55セント。

Stratasys の決算発表後、同社株価も大幅上昇した。7日午後の取引で、同社株価は前日比 18%高の 116.5ドルにまで跳ね上がった。この動きにつられる形で、Voxeljet AG、Exone Co、3D Systems 株も2-7%高になった。

2014年8月9日土曜日

Solidoodle が新型3Dプリンター3機種を発表

米国発:ニューヨークに本拠を置く Solidoodle は現地時間8月5日、新型3Dプリンター3機種を発表した。

「Solidoodle Press」は3Dプリンター初心者をターゲットにした一般家庭用デスクトップ 3Dプリンター。加熱ガラスベッド式で、最大造形サイズは8インチ( 20.32cm )四方。同社の既存製品と大きく異なり、安全性を考慮した密閉式デザインを採用している。プリントベッドの自動調整を可能にした「SoliTouch テクノロジー」を搭載、「クリックするだけで即プリント」したいユーザー層に特化した3Dプリンター。使用素材は φ=1.75mm ABS / PLA フィラメント。

「Solidoodle Workbench」および「同 Workbench Apprentice」の2機種は3Dプリンターを熟知したハイエンドユーザー、プロユース向けシリーズで、Solidoodle の既存製品と同様なオープンフレームのデザイン。両機種ともデュアルプリントヘッドを搭載するが、最大造形サイズは異なり、「Workbench」が同社製品としては最大の 12インチ( 30.48cm )四方、「同 Apprentice」が6X6X8インチ( 15.24x15.24x20.32 cm )。「Workbench」も「Press」同様の加熱ガラスベッド仕様だが、「Apprentice」はアクリルベッド。使用素材は「Press」と同じ ABS / PLA。

Solidoodleによれば、各機種の一般発売は9月中旬を予定している。価格は、ビギナー向けの「Press」のみ同社Webサイト上で数量限定先行販売が実施されており、先行購入した場合で349米ドル。「Workbench」は1,299ドル、「同 Apprentice」は799ドル。


参照元記事

2014年8月6日水曜日

シンガポールのスタートアップが新型バイオ3Dプリンター「Bio3D Life-Printer」を発表

シンガポール発:バイオプリンティングのスタートアップ Bio3D Thechnologies は現地時間8月5日、シンガポール初となる生体3Dプリンター「Bio3D Life-Printer」を発表した。

バイオプリンティングは細胞、タンパク質、バクテリア、バイオゲル等の生体素材を直接プリントする技術で、高速処理型アプリケーション向け2Dプリント精密構造モデル、および研究や試験、診断用として、一層毎に生体素材を積層し、さらに高精密な生体3次元モデル生成を可能にする。

現在市販されているバイオプリンターは足場材、組織、器官といったタスク特化型の製品が多いが、「Bio3D Life-Printer」は初のモジュラー型バイオ3Dプリンターで、異なる条件下の異なる生体素材であっても同時にプリントアウトができるという

「Bio3D Life-Printer」はマルチプリントヘッド、自動調整機能、コード変換作業を容易にする Bio3D EASY Editor、生体組織のグラフィカル デザインを可能にする Bio3D Visual Editor、音声コントロール、制振パッドを搭載し、Windows 8 タブレットも付属する

創業者の1人で CEO の Fan Mingwei 氏は次のように述べている。「バイオ3Dプリンティングは研究および新薬開発のスピードアップ、精度ともに実現させる革新的ツール。臨床試験のコストを劇的に下げるだろう」。

参照元記事

2014年8月4日月曜日

3Dプリンターで作った「子供の城」

米国発:ミネソタ州在住の Andrey Rudenko 氏は3Dプリンターの RepRap の技術とソフトウェアを利用して、3D CAD データから直接、セメントと砂の混合物を 20mmX5mm で積層可能な3Dプリンターを独自に開発した。

同氏によれば、今回の「子供の城」は試作品で、この結果をもとにいずれは2階建て住宅を建設したいという。こちらの方は、1日で建造された中国の3Dプリント住宅を上回る規模になるとしている。

「24時間以内でチープな家を作る気はない。長年、建築に携わってきた者として、将来においても問題の発生しない高品質の住宅をじっくり建てることの方が重要だ」と同氏。

「子供の城」は全工程を Rudenko 氏邸の庭で出力されている。真夏の 35°Cの戸外では、出力されたコンクリートはすぐ固まる。

この「城」は大人が歩いて中に入れるほどの大きさがあり、城内部の高さ 50cm の部屋ひとつ出力するのに8時間かかったという。

「出来はまだ完全とは言えない。プリンターを停止させると壁面のコンクリート層の仕上がりが揃わず、美しくないが、連続稼働させればコンクリート層の出来は素晴らしい」。

Rudenko 氏は自身が開発したこの住宅用3Dプリンターを用いたプロジェクトを、他の建築家や建設技師、3Dプリンター愛好家らと共同で行いたいと考えている( Rudenko 氏の連絡先は、下の動画の最後に表示 )。

住宅用3Dプリンターの開発競争がこのまま続けば、理屈の上では開発途上国に住む人々に安価な住宅提供が可能になり、ひいては建設業界そのものを一変させる可能性がある。

またスロベニアの BetAbram は、最大 144 m² の建築面積を持つ住宅を建設可能な世界初の商用住宅造形3Dプリンターを開発、来月にも販売予定だ。



参照元記事


[ その後、この「こどもの城」は無事完成した ]

2014年8月3日日曜日

医療用3次元 CT スキャンと3Dプリンターで古楽器を復元

米国発:マサチューセッツ州イーストロングメドウに住む生殖内分泌学者 Robert Howe 博士は、かねてから医療用 CT スキャンの持つ人体構造の正確な3次元再現力に注目してきた。今、Howe 博士が着目しているのは、この正確な3次元 CT スキャン技術を繊細な古楽器の研究に応用できないか、ということだ。

コネティカット大学で音楽理論及び音楽史の博士課程にも在籍していた Howe 博士は昨年、同大学で音楽理論を教える Richard Bass 教授にこのアイディアを伝え、Bass 教授はそれを同大学先端3Dイメージング責任者でエンジニアの Sina Shahbazmohamadi 氏にも伝えた。3名は CT スキャンと3Dプリントを組み合わせたこの古楽器復元技術を共同開発し、今週にも特許を申請するという。

CT スキャンは、分解不可能な物品の内部構造調査にはまさにうってつけの方法だ。たとえば 18世紀に製作されたイングリッシュホルンも、CT スキャンの結果、従来専門家が考えていた以上に複雑な内径や木製ピンなどを持っていることが明らかになった。従来のX線検査では同じ材料でできている小部品までは特定できずにいた。

Shahbazmohamadi 氏は、金属と木でできた部分の同時スキャンを可能にする画期的技術を開発した。これにより、Howe 博士らのチームは、19世紀にアドルフ・サックスが製作した最初のサクソフォンのマウスピースの正確な3次元レプリカ製作にも成功した。

「サックスの製作したマウスピースは世界に3つしか現存していない」と Howe 博士。

CT スキャンなど、非接触式の調査方法がなかった頃は、金属製カリパス等を用いて計測していたが、この方法では楽器本体に傷がついてしまう。計測結果に基づいて熟練職人が手作業で復元するのだが、非常に時間がかかり、またコストも高くつくやり方だった。現代のマウスピースで代用した場合、低コストではあるが、いざ演奏してみると、とても満足の行く結果は得られなかった。

ニューヨーク大学で教鞭を執るサックス奏者 Paul Cohen 氏は、Howe 博士らの試みは、数百年前に響いた音楽が、どのような音響を意図してしたのかを理解する上で大いに参考になるはずだと言う。「アドルフ・サックスがマウスピース製作当時に用いた寸法を再現できれば、この楽器に対する理解は根底から変わるだろう」。

Howe 博士らコネティカット大学チームはサックスの製作したオリジナルのマウスピースを CT スキャンし、その測定結果に基き3Dプリンターで樹脂製レプリカを作成した。また同チームはバスサックス( Bフラット )、ソプラノサックス( Eフラット )用マウスピースも合わせて復元した。

「これはすばらしい。単価も 18ドルしかかかっていないしね」と Howe 博士。「この技術は極めて正確、という段階にはまだ達していないが、非常に安価だ」。

コネティカット大学チームが開発したこの技術はいずれあらゆる楽器の複製、ないし破損部分の修繕に役立つだろう。コンピューター技術の進化により、オリジナル楽器に存在する欠陥までも治せるようになるだろう、とShahbazmohamadi 氏は言う。

Howe 博士はすでにそんな楽器を所有している。1740年製のリコーダーだ。楽器の一部は3Dプリンターで復元された部品が使用されている。

「楽器に限らず、採寸して復元するのが困難な製品が復元できるというこの技術の持つ能力は、そのうち爆発的に普及すると思う」。

参照元記事