2015年7月27日月曜日

アーク溶接で出力するハイブリッド金属3Dプリンターが登場

日本発:武藤工業株式会社( Mutoh Industries Ltd. )は新型金属3Dプリンター「 Value Arc MA5000-S1  」を今月下旬より発売すると発表した。

「 Value Arc MA5000-S1 」は同社と、東京農工大学大学院工学研究院先端機械システム部教授 笹原弘之氏が共同開発した産業向けハイブリッド型金属3Dプリンター。SLS / SLM 方式が一般的な従来の金属3Dプリンターと異なり、アーク溶接方式を採用した点が最大の特徴で、現在市場に流通する産業向けハイエンド金属3Dプリンターより安い価格も実現した。

同機は高精度の切削加工機構も搭載したハイブリッド型なので、高い仕上げ精度と低コスト化、試作時間の大幅な短縮が可能としている。また、アーク溶接ワイヤーといった汎用品を使用することにより、制限の多い粉末素材以外の金属素材( 軟鋼、鉄、ステンレス、チタン、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル合金等 )に柔軟に対応でき、材料費も従来比 1 / 10 で済むとしている。

プリント速度は標準モードで 100-200 cc /h、最大で 500 cc /h までの高速化が可能。500 mm 角という大きな造形容積を持つ同機は、既存部品に新しいパーツを追加するといった加工にも対応できる。

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2015年7月26日日曜日

3Dプリンターを自作するオンライン講座がこの秋開講へ

ロシア・トムスク州発:トムスク大学( TSU )は今年の秋から3Dプリンターの自作を教えるオンライン講座を開講する。

同大学放射線物理学部量子エレクトロニクス科講師 Nikolai Bulatov 氏は、わずか3日でレーザー関連研究試料の製作用として3Dプリンターを組み立てた経験がある。学生たちにも同様の体験をしてもらおうと考え、今回のオンライン講座開講を考えたという。

Bulatov 氏は次のように述べている。「最初の段階では、3Dプリンターの組み立てなど宇宙の構造みたいに複雑なものと不安がる学生もいるだろうが、一度作業にかかれば実際にはそんなに難しくないことが分かるはずだ。このオンライン講座の目的は、あらゆるものは皆単純だということを理解してもらい、受講する学生全員が自宅で3Dプリンターを組み立てられるようにすることだ」。

講座では3Dプリンター本体の自作だけでなく、組み立てたプリンターで3Dプリントモデルを出力させたり、3Dプリントの動向も学ぶ。

Bulatov 氏はこのオンライン講座の結果を見て、正式カリキュラムとして設置するかどうかを判断したいと考えている。

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2015年7月25日土曜日

世界初の3Dプリント UAV が飛行に成功

英国発:サウサンプトン大学は現地時間7月 22 日、世界初の3Dプリント製小型無人飛行機( UAV )の洋上航行艦船からの試験飛行に成功したと発表した。

この3Dプリント UAV は翼長 1.5 m、重量 3 kg。機体はレーザー焼結したナイロン樹脂製で、試験飛行当日に艦上で組み立てられた。開発したのはサウサンプトン大学教授 Andy Keane 氏らのチーム。「 SULSASouthampton University Laser Sintered Aircraft )」と名付けられたこの UAV は約 500 m 飛行した数分後、ドーセット州チェシルビーチに無事着陸した。

SULSA には小型ビデオカメラが搭載されて飛行中の様子を撮影し、同機開発チームは SULSA を遠隔操作しているバンの複数の車載カメラから飛行の様子をモニターした。

今回の試験飛行のように航行中の船舶から UAV を飛ばすことは既に実施されてはいるがその費用は数百万ドルもかかり、機体もかなり大型だった。開発チームの James P. Scanlan 博士によれば SULSA なら数千ドルで製作可能だとし、現時点ではバッテリー1回の充電で 40 分の連続飛行が可能だという。

SULSA は 2011 年、Keane、Scanlan 両氏が主導してスタートした3Dプリント UAV の研究開発プロジェクト。飛行速度は 58 mph で、4つの大きな3Dプリントパーツで構成され、工具なしで組み立てられる。

2015年7月21日火曜日

19 歳の起業家が低価格・拡張可能なデルタ型3Dプリンターの資金調達へ

英国イースト・ライディング・オブ・ヨークシャー発:Alex Youden 氏は昨年、18 歳の時にスタートアップ NFire Labs を起業した。Youden 氏は 2013 年に英国の学生エンジニアを対象にしたコンペの中間工学 / 技術部門のファイナリストに選ばれた若きエンジニアだ。

その Youden 氏の会社 NFire Labs が、近日中に新型3Dプリンター「 NFire One 」資金調達キャンペーンを Kickstarter 上で開始する。「 NFire One 」は箱から取り出して即、使用可能な低価格モジュラータイプのデルタ型デスクトップ3Dプリンター。モジュラータイプなので、各主要パーツは用途に応じて柔軟に改変可能。たとえばフレームを拡張した場合、最大 5,250 mm³ の造形容積が得られるという( 標準モデルは 3,000 mm³ )。

基本モデルは 250 GBP から。同社のパートナー企業として、高品質の生分解性 PLA フィラメントを生産する Floreon も参加している。

「 NFire One 」はデザイナー、エンジニア、企業等をアーリーアダプターとして想定しているが、3Dプリンタービギナーも迷わず使用できるよう設計されている。

Youden 氏は今月 23 日、「 NFire One 」Kickstarter キャンペーン開始を祝うイベントも開催する予定だ。

2015年7月20日月曜日

「安くて早い」3Dプリント モジュール型住宅がお披露目

中国・陝西省発:不動産デベロッパー ZhuoDa グループ( 卓达房地产集团 )は現地時 7 月 17 日、山東省威海市および西安市内で新開発の3Dプリント工法によって生産された2階建てモジュール型住宅( システム住宅 )を現地で組み立てるデモを披露した。

同社が新開発した3Dプリント工法の詳細は企業秘密とのことだが、従来の3Dプリント工法で使用されるコンクリート等の建材ではない「特殊材料」を使用し、建築の際も建設用機械をあまり必要としないため3時間で建てられ、また建築コストも大幅に削減されるため、非常に安価な住宅を提供可能だとしている。

同社によれば、3Dプリント モジュール住宅は 90 % が工場内で生産されて現場に搬入される。その時には既に内装、配管、配線、キッチンなど水回り、家具といった必要設備が組込済みで出荷される。

この3Dプリント モジュール住宅に使用される建材は全て産業 / 農産廃棄物の再生素材であり、耐震性能および防水、耐火性能も非常に高いとしている。使用されている素材にはホルムアルデヒド、アンモニア、ラドンといった有害物質は一切、含まれていない。外壁は好みにより翡翠、大理石、御影石ライクな外観にすることもできるという。

同社研究開発部門エンジニア An Yongliang ( 安永亮 )氏は、「従来工法では建築に最低半年はかかっていたが、この3Dプリント モジュール工法なら 10 日もあれば工場での生産から現場での最終組立までが行える」と述べている。

今回、デモで組み立てられた3Dプリント住宅は6つのモジュールから成り、各モジュールの重量は約 100 kg / m² 。同社はこの工法で使用する新建材について 22 の特許を申請中で、既に 40 件以上の地元自治体プロジェクトの契約を交わしたという。

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2015年7月19日日曜日

より見やすく、正確な3Dプリント臓器モデル作成法を共同開発

日本発:大日本印刷株式会社( Dai Nippon Printing Co. )は 7月 10 日、内部構造を忠実に再現したフォトポリマー3Dプリント臓器モデルを低コストで作成可能な新手法を筑波大学と共同開発したと発表した。

発表によれば、新手法ではレプリカ作成したい臓器内の部位をピンポイントで作成でき、従来のような臓器全体の3次元モデルではないため、作成費用も従来比3分の1に抑えることができ、経費軽減にもつながるとしている。

同社広報担当者は、「この新手法は、たとえば膵臓癌の場合なら癌とその周囲の血管のみの3次元モデル作成ができる」と述べている。これにより、執刀医は臓器全体を再現した3次元モデルよりも摘出手術シミュレーションがしやすくなるという。

同広報担当によると、作成に必要な3Dデータ収集後、約1週間ほどで臓器の3次元モデルが完成するとしている。この臓器立体模型の作製手法は特許出願中で、来年中の商用化を目指している。

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2015年7月18日土曜日

低価格 SLS 3Dプリンターシステム「 SnowWhite 」

イタリア・ブリアンツァ発:3Dプリンタースタートアップ Sharebot S.r.l. は現地時間 7 月 15 日、低価格 SLS 3Dプリンターシステム「 SnowWhite 」を発表した。

「 SnowWhite 」は 14 W CO2 レーザーを搭載し、造形速度はレイヤー当たり約 10 秒( Z軸方向は 35 mm / sec )、層間ピッチは使用する粉体材料により 0.04 - 0.4 mm。本体重量 60 kg、最大造形サイズは 100 mm x 100 mm x 100 mm。操作は付属タッチパネルで行い、層高、スキャンレート、レーザー出力強度、予熱機能等が直感的に調節可能。USB ポートおよび Wi-Fi 機能付きで、ホットチャンバー内の最高温度は 200 °C。

同社 CEO Arturo Donghi 氏によれば現在、特別割引価格 17,500 EUR( 最終販売価格は 35,000 EUR を予定 ) でベータテスターに限定した先行販売を実施中で、ベータテスター向け出荷時期は9月頃になるとしている。

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2015年7月13日月曜日

複数の投資家が MakerBot を提訴

米国ミネソタ州発:Stratasys, Ltd ( NASDAQ:SSYS )傘下の MakerBot Industries は親会社と共に、複数の投資家から訴えられていることが明らかになった。

ミネソタ連邦地裁に現地時間7月1日付で受理された訴状によると、1). MakerBot は経営状態および財務状況について事実と異なる情報を提供し、株価を吊り上げて投資家に損失を与えた 2). MakerBot はエクストルーダーに欠陥のある第5世代「 Replicator 」シリーズを出荷し、正確な回収台数などの情報開示を適正に行わないまま業務を継続していた、の2点について申し立てをしている。

投資家らから提訴されたのは、Stratasys CEO の David Reis 氏、CFO / COO の Erez Simha 氏、および MakerBot 創業者の1人で元 CEO の Bre Pettis 氏、前 CEO の Jennifer Lawton 氏。

親会社 Stratasys の株価はここ数か月、下落を続けている。昨年9月に 130.83 USD だった同社株価は、現在では 33 USD 台で推移している。

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2015年7月12日日曜日

「 Google Earth 」ライクな「 Mars Trek 」、3Dプリントにも対応

米国発:米航空宇宙局( NASA )は現地時間7月9日、Web アプリ「 Mars Trek 」をリリースした。

「 Mars Trek 」は「 Google Earth 」ライクなブラウザベースアプリ。NASA がこれまでのミッションで撮影した火星表面の画像から構成され、2D / 3D 画像で家に居ながらにして火星探検気分が味わえる双方向型火星マップ。北極と南極、全球画像の切り替え、ズーム機能、および Spirit、Opportunity、Curiosity 等 NASA がこれまでの火星探査で投入したローバーの調査範囲等を示すブックマーク、無人探査機が捉えた画像や高度など各種データのオーバーレイ オプションも含んでいる。

また、画像を STL ファイルとしてダウンロードし、手持ちの3Dプリンターでプリントアウトもできる。ファイルサイズは約 47 MB 、総計 100 万個のポリゴンから成る3Dモデル。NASA によれば、ほぼ全ての市販3Dプリンターで出力可能だとしている。

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2015年7月11日土曜日

3Dプリント EV 車が来年前半にも発売へ

米国アリゾナ州発:フェニックス市に本拠を置く Local Motors現地時間7月7日、来年前半にも市販開始予定の3Dプリント EV 車「 Reload Redacted – Swim and Sport 」のデザインを明らかにした。

今回発表された3Dプリント EV 車のデザインは、同社のクラウドソーシング コミュニティメンバーから公募した 60 のデザイン候補から選ばれた、ワシントン州在住エンジニア Kevin Lo 氏の「 Reload Redacted – Swim and Sport 」2+2クーペ。駆動系、バッテリー、ステアリングとサスペンションを組み込んだスケートボード型シャシー上に脱着可能なフロント / リア / ルーフパネルから成り、用途に応じて柔軟に外観を変更できる。性能等の主要諸元については現時点では公表されていない。

カーボンコンポジット製シャシーとボディパーツは部屋1つ分ほどもある大型3Dプリンターで出力される。この3Dプリント EV 車のコンセプトカーは1月に開催されたデトロイト自動車ショーで披露された「 Starati 」。

「 Reload Redacted – Swim and Sport 」の生産は同社がテネシー州ノックスヴィルに新設した工場で組み立てられる。販売予定価格は 18,000-30,000 USD。

「 Reload Redacted – Swim and Sport 」はいわゆる「買い物の足」的用途を想定した EV 車だが、来年後半には本格的な高速仕様車も投入される予定。

自動運転車が登場するよりも早く、3Dプリント EV 車のほうが一足先に街中を走り回ることになるかもしれない。

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2015年7月7日火曜日

「 netfabb Professional v. 6 」がリリース

ドイツ・バイエルン州発:netfabb GmbH は現地時間7月3日、3Dデータ最適化ソフトの最新版「 netfabb Professional v. 6 」をリリースした。

最新版は、Microsoft が主導し同社も参入する新規格 3MF に標準対応。複雑な浮き彫りパターンを追加するテクスチャ インポージング、自動的に最適なプリンタブルパーツを算出する3Dネスティングモジュールを含む新しいオートパッキングツールを同梱する。

同社 CEO Alexander Oster 氏は次のように述べる。「強力なパッキングツールは生産コスト削減を可能にする。生産能力を最大限に引き出し、同時に市場投入までの時間も短縮される。信頼性の高いパッキングツール機能なしの大量生産など考えられない」。

3MF 推進団体 3MF Consortium は MicrosoftHPAutodeskDassault Systèmes などが参入している[ 現時点での日本語版の最新版は v. 5.2、機能制限版 netfabb basic は無償利用可 ]。



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2015年7月6日月曜日

誰でも簡単に動かせる3Dプリンタブルロボットの「遊び場」が公開

日本発:大阪市に本拠を置くプレンプロジェクト有限会社( PLEN PROJECT Co., LTD. )は7月1日、同社の開発した3Dプリンタブル小型2足歩行ロボット「 PLEN 2公式ユーザーコミュニティサイト PLEN Playground と、同サイト上で新プログラミングツール「 Motion Editor 」α 版の一般公開を発表した。

同社設立者で CEO の赤澤夏郎氏は、このユーザーコミュニティサイトと新プログラミングソフトウェアパッケージの公開は、同ロボットのユーザーエクスペリエンスの拡大および質の向上を目指して現在取り組んでいる試みの一環だと述べる。「 Motion Editor 」は「 PLEN 」シリーズの動作作成用 Web アプリ。コーディング等の専門知識は不要で、誰でも簡単に独自の動作を作成してロボットを動かすことができ、作成した動作の共有も可能だ。同ロボットの高さは 20 cm。

また、教育用ビジュアル プログラミングツール「 Scenography ( α 版 )」も今月中に公開する予定。アイコンなどを使用して直感的にロボットを動作するプログラミング作成が学べる。また PLEN Playground サイト上に Windows、iOS、Android タブレット用アプリも用意する。

現在、「 PLEN 2 」は公式サイト上で予約販売を受付けている。スタンダード版組み立て済みモデルの販売価格は 122,000 円で、12 月初旬以降の販売開始を予定している。モーターおよびコントロールボードセットの出荷は9月上旬を見込んでいる。

また同社は今回の公開と合わせたプログラミングツールのデモも兼ねて今月 14 日、鎌倉女子大学初等部を皮切りに、「世田谷ものづくり学校」等で出張授業も行う。8月には PLEN Playground 上で PLEN 2 の3D データや回路図、ソフトウェアのソースコード等も公開する予定だ。

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2015年7月5日日曜日

波力発電装置の3Dプリント プロトタイプが水槽実験へ

英国コーンウォール州発:ファルマス市に本拠を置く波力発電の Seatricity は今月、1週間かけてアイルランド・コーク州の実験施設で3Dプリントで製作した波力発電装置のスケールモデル プロトタイプの水槽試験を実施する。

「 Oceanus 2 」と名付けられたこの発電装置は、同社が7年前から取り組んできた波力発電装置の最新版。同社によると、この波力発電装置は洋上風力発電より低コストで設置でき、発電効率も風力より遥かに高いとしている。

3Dプリント プロトタイプの「 Oceanus 2 」の発電量は 162 KW で、ユニバーシティ・カレッジ・コーク流体力学・海洋研究センター内の実験水槽 Beaufort で様々な試験を受ける。

このプロトタイプは同じファルマス市内の 3D Kernow が製作した。実寸大の発電装置の製作は A & P Falmouth が担当する。実物大モデルのほうはマリングレードアルミ合金製のフロートに、波力で上下するロッドおよび陸上施設に加圧海水を送り出すポンプが取り付けられる。

実物大モデルの計画では、ヘイル市の 10 海里沖合に「 Oceanus 2 」を含めた洋上発電装置を 60 基、列状に展開し、それぞれをグリッド接続して 10 MW の発電総量を目指す。発電施設は再生可能エネルギー実験所 Wave Hub Ltd の施設を利用する。

また同社は、「 Oceanus 2 」から送られる加圧海水を逆浸透膜( OR 膜 )で濾過して淡水化することも将来的には可能になるだろうという。飲用水と電気が同時に作れる一石二鳥の装置になる可能性を秘めている、というわけだ。



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2015年7月3日金曜日

難病に苦しむ赤ちゃんのために3Dプリントで補助器具を製作

米国ミシガン州発:グランドヴァレー州立大学( GVSU )大学院生 Joseph Kissling、Samuel Brooks Schaefer の両氏はこのほど、脊髄性筋萎縮症( SMA )の赤ちゃんのために3Dプリントで補助器具を製作した。

1歳8か月になる Lylah Gritter ちゃんは、急性とされるI型 SMA という先天性疾患に侵されている。この遺伝性疾患は筋萎縮性側索硬化症( ALS )と同じ運動ニューロン病の一種で、四肢機能の麻痺から徐々に進行する難病だ。

Kissling、Schaefer 両氏は Lylah ちゃんが両腕を使えるようにするための補助器具の開発に取り組んだ。「 Angel Arms Exoskeleton 」と名付けたこの補助器具を製作するため、2人は大学側の協力により、学内の3Dプリンター「 Stratasys Dimension 1200es 」を使用して Lylah ちゃんの両腕をバネとゴムバンドで連結した計 12 のパーツで吊り上げる器具を完成させた。補助器具は ABS 樹脂製で、最大限の強度を持たせるため非中空構造にした。12 のパーツの出力は延べ 25 時間ほどかかった。

Kissling、Schaefer 両氏はこの経験をもとに、今回設計製作した Angel Arms Exoskeleton のデータをオープンソース化して、一般に市販されている部材で誰もが3Dプリントで自作できるよう公開する準備を進めている。

Kissling 氏は次のように述べている。「製作用ファイル群を公開すれば、皆が各自の用途に最適な形にカスタマイズできるし、誰かがさらに優れた仕様を案出してくれるだろう」。

この Angel Arms Exoskeleton は現在、5 x 5 night というミシガン州で毎月開催のコンペティションに参加中だ。Kissling、Schaefer 両氏は可能ならば優勝して、賞金 5,000 ドルを獲得し、その賞金で製品に改良を加えたいと考えている。投票結果の上位5つのエントリーが、今月 28 日に行われる公開審査に進出する。



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2015年7月2日木曜日

世界初、オール3Dプリントのスモールオフィス棟建設へ

UAE ドバイ発:アラブ首長国連邦( UAE )は現地時間6月 30 日、世界初の3Dプリント スモールオフィス棟を、ドバイ市の「 The Museum of the Future 」内に建設すると発表した。

UAE 内閣総務局長 Mohamed Al Gergawi 氏は声明で、次のように述べている。「我々が目指すのは、市民の幸福と健康の増進、そして新しいソリューションの開拓だ。3Dプリント建築は以前は夢物語だったが、今日からは現実のものとなる。3Dプリント技術の持つ効率性とクリエイティビティはいずれ建設と設計部門を再編するはずで、新オフィススペースはそれを証明するものとなる。技術革新と3Dプリントの世界的ハブになることで、この技術発展のメリットを最大限活用するのが狙いだ」。

この建設計画は、中国企業 Winsun ( 上海盈创装饰设计工程有限公司 )との合弁事業。同社は3Dプリント建築事業のパイオニア的存在として知られる。Gergawi 氏によれば、3Dプリント建築の場合、従来比 50 - 70 % の工期削減と 50 - 80 % の省力化、30 - 60  の廃棄物削減につながるとする試算を引用している。他にも Gensler、Thornton Thomasetti、Syska Hennessy 等が計画参入を表明している。

計画では、建設現場に高さ6 m の3Dプリンターを設置して、床面積約 185 m² のスモールオフィス棟を出力しながら順次その場で組み立ててゆく。鉄筋コンクリート、グラスファイバー強化石膏ボード、プラスチック樹脂を使用し、内装も全て3Dプリントで製作する。建物内部は間仕切りのないオープンプランで、使用人員や用途に応じて柔軟に対応可能。当面は、2017 年開業予定の同ミュージアム職員用として使用し、3Dプリント展示スペースとデジタル ファブリケーション施設も併設する予定だ。

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