2018年12月22日土曜日

日本人数学者が3Dプリントで世界最小を「不可能立体」作成

日本 / スイス発:錯視研究の第一人者として世界的に知られる日本人数学者がこのほど、ナノ3Dプリント技術を使用して赤血球サイズの「不可能立体」の作成に成功した。これは不可能立体の世界最小の作成例だという。

極小サイズの不可能立体を作成したのは明治大学教授の杉原厚吉氏。同氏はスイスのナノテクノロジー3Dプリンターベンダー Cytosurge AG の持つナノ3Dプリント技術「 FluidFM® 」によって作成した。「 FluidFM® 」の母体となる技術はチューリヒ工科大学で開発されたもの。φ= 300 nm の極小ピペット口を電荷のかかったプリント基盤上の直上にセットし、電着することでナノサイズの3Dプリントを行うというもので、原理的には一般的な電着塗装と同じ。これを任意の地点で繰り返して立方体を形成する。

公表された動画クリップでは、方形状の極小3Dプリントオブジェクトが円柱状に変化するプロセスが映し出されている。Cytosurge によるとこの不可能立体は直径が各 0.1 mm x 0.03 mm x 0.01 mm の円形をプリントアウトしたもので、形状変化を観察するには高解像度の電子顕微鏡が必要だ。




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2018年12月16日日曜日

米研究者グループが「針なし血糖値測定器」を可能にする3Dプリントバイオセンサーを開発中

米国ワシントン州発:ワシントン州立大学の研究者グループは現在、3Dプリントで作成したバイオセンサーによる血糖モニタリング技術の開発を進めている。

3Dプリントバイオセンサーの開発に当たるのは、Yuehe Lin 氏らの研究者グループ。開発のきっかけは、現行の血糖モニタリングの方法がひじょうに限られている、ということに気づいたからだった。

同グループが開発中の新技術では、血糖値測定のさいに指に針を刺す必要がない、というのが大きな特徴だ。同グループによれば、ダイレクトインクライティング(DIW)方式を採用することで「針なし検査」が実現できるという。DIW は高精度センサー製造に不可欠の工程で、血糖が発する微小シグナルを捉えることができ、さらには最小限の素材のみ使用する3Dプリント方式は製造コストが安価で済む利点がある。

現在、同グループでは長期間の血糖モニタリング向け高精度センサーの製造を目指しており、実現すれば将来的にはウェアラブル血糖値測定器のようなデバイスとしての実用化も視野に入れる。同グループの研究報告は専門誌 Analytica Chimica Acta 電子版上に発表された。

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2018年12月5日水曜日

ディープラーニングと3Dプリントを組み合わせた高忠実度の絵画複製技術を開発

米国マサチューセッツ州発:MITコンピュータ科学 / 人工知能研究所(MIT CSAIL)の研究者グループはこのほど、ディープラーニング技術と3Dプリント技術をベースにした油彩画などの絵画作品を高忠実に再現可能な新しい複製技術「 RePaint 」を開発したと発表した。

同グループによると、「 RePaint 」は人工知能(AI)と3Dプリント技術をベースにした「カラーコントーニング」という特殊な技術を利用し、10 通りの異なる透明度のインクを「キットカット」のような極薄レイヤー状に積層する。このカラーコントーニングと、伝統的なハーフトーン[網点]技術とを組み合わせ、原画の絵肌といったニュアンスまで捉えることができるという。油彩画複数を現時点での最新技術による複製品と比べた結果、作品ごとの色の階調再現性に関して、「 RePaint 」は 4 倍以上の再現性能を発揮したとしている。

ただし現段階では、複製可能なサイズは名刺判まで。これはプリント工程に時間がかかり過ぎるためだ。同グループは、将来的には市販のハイエンド3Dプリンターに組み込むことでさらに大きな判型を効率的に制作できるようになるだろうと期待し、家庭鑑賞用の複製画制作をはじめ、原画の経年劣化からの保全、名画ポストカード制作などを想定用途として挙げている。「 RePaint 」開発の一部は、米国立科学財団の支援を受けている。

「 RePaint 」は 12 月 4-7日、東京国際フォーラムで開催される CG およびインタラクティブ技術に関する国際カンファレンス / 展示会「 ACM SIGGRAPH ASIA TOKYO 」に出品される。




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2018年11月25日日曜日

Kodak が自社ブランドで初のプロ向けデスクトップ3Dプリンターを発売

米国ニューヨーク州発:Kodak(Eastman Kodak Company, NYSE:KODK)は現地時間 11 月5日、同社ブランドでは初のデスクトップFDM型3Dプリンター「 Portrait 3D Printer 」を発表した。

同社によると、この新型3Dプリンターはシングルボードコンピューター「 Raspberry Pi 3 」上の Linux ベースのオープンソース OS「 3DprinterOS 」で動作するFDM型3Dプリンター。同社は世界市場でのブランド使用許諾権を製造元の Smart International に与える契約も締結している。

「 Portrait 3D Printer 」の最大造形容積は 455 x 435 x 565 mm。筐体はスチール製で、造形盤も最高 105 ºC まで耐えられる。コンパクトながらデュアルエクストルーダー搭載のプロユース仕様。ノズルの最高耐熱温度は 295 ºC。

操作は5インチタッチパネルで行い、Wi-Fi、有線LAN、USBポートを搭載。自動レベリング調整とキャリブレーション、プリセット設定機能も内蔵。同社の提供するクラウドサービス「 Kodak 3D cloud 」にサインアップすることで作成した3Dオブジェクトデータのアップロードや共有も可能。遠隔モニター用のカメラも実装し、プリント工程のタイムラプス動画を残すこともできる。「 Portrait 3D Printer 」の本体販売価格は 3,500 米ドル。

Kodak はまた、STEM 教育関連グッズの開発と販売を手がける PCS Edventures! および子会社の Thrust-UAV との業務提携も結び、コンシューマー向け新型ドローン「 Kodak Riot 250R Pro Sport Drone 」もリリースした。





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2018年11月11日日曜日

EOS が新開発のポリマー3Dプリント技術「 LaserProFusion 」を初披露へ

ドイツ・バイロイト州発:EOS GmbH はフランクフルト市内で開催される3Dプリント国際見本市兼カンファレンス「 Formnext 2018 」において、新開発のポリマー3Dプリントテクノロジー「 LaserProFusion 」を初披露すると発表した。

「 LaserProFusion 」は従来の射出成型技術の代替となる新AM技術。造形範囲を単独CO2 レーザーが移動して加工するレーザー焼結技術と異なり、100万近くあるダイオードレーザーが素材を溶融、積層して加工する。加工部位のダイオードレーザーのみ照射されるため、照射時間は劇的に短時間となり、製造工程の最適化および高速化が期待できるとしている。

「 Formnext 2018 」の開催期間は 11 月 13 - 16日。

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2018年10月27日土曜日

FDM 3Dプリンターで金属3Dプリント並みの堅牢なプリントアウトを世界で初めて実現

ドイツ・テューリンゲン州発:フラウンホーファーセラミック技術システム研究所(IKTS)の研究者グループはこのほど、一般的な FDM / FFF 方式3Dプリンターを使用して、樹脂よりはるかに堅牢な金属3Dプリントを実現する新方式を世界で初めて案出したと発表した。

切削工具等に使用される超硬合金の加工には射出成型や一軸加圧成形プレス、冷間等方圧プレス(CIP)といった粉末成形法が用いられるのが一般的。製造時間の短縮化や精密化が図れるといったメリットはあるもののその機構は複雑で、後処理のコストも高い。そこで同研究者グループは、一般には樹脂フィラメントを使用する3Dプリント技術の FDM / FFF 方式の3Dプリンターで金属粒子を混合したフィラメントを使用して実験し、その結果を検証した。

その結果、0.8 μm 以下の超極微粒子の金属パウダーおよび有機素材の接合材を混合したフィラメントを使用してプリントすると、ビッカース硬度1700(HV10)という従来よりはるかに堅牢なプリントアウトが得られたとしている。今回の研究成果はスペインのビルバオ市内で開催された粉末冶金関連カンファレンス EuroPM2018 で披露された。

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2018年10月14日日曜日

Leapfrog と Kyocera が豪州市場向け販売で提携へ


オランダ・南ホラント州発:FDM3Dプリンターベンダーの Leapfrog はこのほど、同社フラッグシップ機「 Bolt Pro 」のオーストラリア、ニュージーランド市場への独占販売契約を Kyocera Document Solutions Pty Ltd と締結したことを発表した。

Kyocera は両市場における2Dプリンター関連および多機能デバイス販売大手で 1989 年、シドニー市に設立された。

Leapfrog の「 Bolt Pro 」は独立デュアルエクストルーダーの IDEX システムを搭載したオフィス・産業向けの最高級モデル。最大造形容積は単独モード時で 330 x320 x 205 mm、デュアルモード時で 300 x 320 x 205 mm。対応フィラメントは PLA と Flex。正確なフィラメント送りを実現するダイレクトドライブや、圧力調整機構を採用している。排気部には HEPA カーボンフィルターが付属し、クラウド対応の自社製 UI 搭載タッチパネルで操作する。

Leapfrog は「 Bolt Pro 」にいて、ユーザーフレンドリーかつ高剛性・高耐久の製品であり、製造工程の効率化と高速化に役立つとしている。

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2018年9月30日日曜日

イタリア人研究者が 100% 植物性タンパク質の「3Dプリントステーキ」を開発中


スペイン・カタルーニャ州発:カタルーニャ工科大学の研究者が、100% 植物性タンパク質の材料からなる「3Dプリントステーキ」の開発に取り組んでいる。

この3Dプリント肉を開発したのは同大学の生物医学と組織工学の研究者 Giuseppe Scionti 氏。ミラノ出身の 31 歳の Scionti 氏によると、3Dプリント人工耳のインプラント研究に取り組む大学の同僚がその忠実な再現性について話すのをたまたま聞き、3Dプリントで人間の耳の組織の忠実な複製が作成できるのなら動物組織でも応用できるはず、と考えたのが開発のきっかけだったという。

使用する3Dプリンターは同大学の技術センター CIM Foundation 製。ペースト素材を詰めたシリンジをセットすれば、細長いヌードル状の素材が AutoCAD でデザインした小さなステーキのような姿に成型される。フライパンで焼くと、本物の肉が焼けるような音まで響かせ、さらによいことにはフライパンに焦げ付くこともないという。見た目は肉というより豆腐に近いが、繊維質だという。この3Dプリント肉 100 g の出力には約 30 - 50 分かかる。

動物タンパク質を摂取する場合、動物の生命の犠牲が伴う。過去にもこのような「人工肉」として培養肉を用いる方法や、米国の食品テクノロジーベンチャー Impossible Foods が植物性タンパク質から製造した人工肉の商品化を行っている事例はあるものの、ハンバーガーやミートボールに加工する必要があり、肉の持つ食感までは再現できていなかった。Scionti 氏の試みは、可能な限り本物の肉に見た目と食感を近づけること。素材はコメもしくはマメ類、海藻成分から生成されたプロテインパウダーで、ヴイーガン向け栄養補助食品として通常、使用されているものだ。

現時点では3Dプリント肉 100 g 当たり2ユーロのコストがかかっているが、量産化できれば単価も下がると Scionti 氏は言う。同氏はすでに特許申請を済ませており、10 月にもスタートアップ Nova Meat を立ち上げる計画だ。

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2018年9月13日木曜日

3,800 台近い3Dプリンターがサイバー攻撃に無防備なまま運用されていることが判明


米国メリーランド州発:SANS インターネットストームセンター(ISC)研究員 Xavier Mertens、Richard Porter 両氏の投稿したブログ記事によると、世界中の 3,800 台近い3Dプリンターが、アクセス制限や認証要求といった保護がいっさいされないまま、セキュリティ上危険な状態で放置されていることが明らかになった。

これらの3Dプリンターに共通するのは、オープンソースの3Dプリントコントロール用インターフェイス「 OctoPrint 」を搭載していたこと。OctoPrint には .gcode といった3Dモデル情報の転送や、Webカム経由で3Dプリント工程の確認が可能なリモート監視など多彩な機能を持つ。

SANS ISC の Porter、Mertens 両氏は、ユーザーが無造作にオンライン接続した3Dプリンターは悪意ある攻撃者に3Dファイルを覗き見られている危険があり、3Dプリンターの設定を勝手に変更されたり3Dモデルが盗まれる恐れがあると警告する。ユーザーが設定を変更しないかぎり、暗号化されていない3Dモデル改変はきわめて容易であり、個人情報漏洩にもつながりかねない。

最大の問題は、Shodan のような IoT デバイス検索ツールがあれば、無防備な OctPrint 搭載の3Dプリンター探索はさほど難しくないこと。実際に無防備な同インターフェイスを持つ3Dプリンターを探索するには巧妙な検索クエリが必要だが、IPアドレスやネットワーク名といった、攻撃者が3Dプリンターのある場所をおおまかに特定できる情報漏洩の可能性がある。

この問題に対しOctoPrint 側もブログ記事でユーザー側に、不正アクセスを遮断する設定に変更するよう注意喚起を行っている。最悪の場合、3Dプリンターのファームウェアを書き換えられて3Dプリンターそのものが使用不能になる恐れもあるという。Shodan のようなツールを使用して OctoPrint 搭載3Dプリンターを検索した結果、米国に 1,585台、ドイツに 357 台、フランスに 303 台、英国に 211 台、そしてカナダに 162 台がそれぞれ見つかったとしている。

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2018年8月19日日曜日

豪州グループがモルディブに世界最大級の3Dプリント人工サンゴリーフを設置

モルディブ発:現地時間 8 月 11 日、3Dプリント製としては世界最大級の人工サンゴリーフがモルディブ共和国サマーアイランドリゾート沖の通称「ブルーラグーン」に設置された。

この3Dプリント人工リーフはセラミック製のモジュールタイプ。開発したのはオーストラリア・メルボルン市在住の工業デザイナー Alex Goad 氏らの Reef Design Lab プロジェクトグループ。同グループはモルディブ近海で見られる天然サンゴ礁の3Dモデリングデータを作成、大型3Dプリンターで人工サンゴの構造型をプリントアウトし、220のモジュールを製作。その後、この型にサンゴに含まれる炭酸カルシウムと同様の不活性物質のセラミックを流し入れて生成した。その後現地に運ばれてコンクリートを詰められ、ダイバーらによって水深 7 m の海底に組み立てられ、最後にサンゴ断片が人工リーフ表面に移植された。

今回の設置実験では海洋生物学者の協力も仰ぎ、3Dプリント技術が鉄骨フレームを用いる既存手法よりもサンゴの増殖に適しているか、数年にわたって経過観察される予定だ。

モルディブの天然サンゴ礁は地球温暖化などの影響で年々減少しており、同プロジェクト関係者はこの試みがモルディブのサンゴ礁保護に貢献することに期待を寄せる。また Goad 氏によると、人工リーフの3Dプリントデータなどすべてを無償公開し、現地の研究者らが自由に利用可能にしているという。






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2018年8月4日土曜日

Formlabs が総額 1,500万 米ドルの資金調達実施を発表

米国マサチューセッツ州発:3Dプリンターベンダーの Formlabs は現地時間 8 月 2 日、世界的なベンチャーキャピタルの New Enterprise Associates(NEA)から総額 1,500 万米ドルの資金調達を確保したと発表した。

同社によれば、今回の資金調達実施により、同社の中国・アジア地域への本格展開を可能にした4月のシリーズCラウンドで調達済みの 3,000 万米ドルにさらに上乗せして、現在までの総額で 1 億米ドル以上の資金を確保、企業価値評価も 10 億米ドル以上となったとしている。

また同社は、総合電機大手 GE 元会長兼 CEO だった Jeff Immelt 氏を同社取締役として迎えたことも発表した。Immelt 氏はバーリントンに本拠を置く同業の Desktop Metal の役員にも就任している。

Formlabs は光造形(SLA)方式デスクトップ3Dプリンター「 Form2 」をはじめ、昨年6月には同社初の SLS 方式デスクトップ3Dプリンター「 Fuse1 」を発表。5年連続100%の成長率を達成した同社は、全世界の事業所で約500人を雇用するなど、右肩上がりの拡大を続ける。

また資金を提供したNEA にとっても Formlabs や Desktop Metal、OnShape のようなデジタルマニュファクチャリングは機械学習、ロボティクス、IoTデバイスといった実現技術と同様、投資の重点的成長部門として今後も注力してゆくという。

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2018年7月11日水曜日

GE が3Dプリント部品検証にブロックチェーン技術を採用

米国コネチカット州発:総合電機最大手 General Electric Company(NYSE:GE)は自社3Dプリント部品のサプライチェーンにおける製造プロセス検証にブロックチェーン技術を採用する計画であることが、米国特許商標庁(USPTO)がこのほど公開した特許申請書から明らかになった。

同社がこの特許申請を提出したのは 2017 年 12 月。提出書類によると、同社は3Dプリントプロセスにおけるデータ改竄防止のために、ブロックチェーンによるデータベース生成を可能にする技術を開発したという。同様の事案では今年 5 月、サンフランシスコ市内に本拠を置くデジタルマニュファクチャリングセキュリティのスタートアップ Identify3D が3Dプリントデータ保護ソフトウェアを開発した先例がある。

ブロックチェーン技術は現在、仮想通貨を支えるバックボーン技術として広く知られるが、GE はこの技術を応用して3Dプリントプロセスを追跡し、適正なファイルと手法で製造されているかどうかを確かめる「検証と妥当性確認(V&V)」に役立つデータベース構築を実現させたい考え。

現状の3Dプリントプロセスには製造工程の検証方法が確立されていないという欠陥がある。GE による特許申請は、この欠陥の解消を目指したものとして注目される。また GE は今年 3月、貨物輸送産業における業界標準策定を目的とするブロックチェーン関連コンソーシアムの「運輸業界向けブロックチェーン連盟(BiTA)」に参加したことも発表している。

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2018年7月2日月曜日

高性能クレイ3Dプリンター「LUTUM® 」に最新版が登場

オランダ・リンブルフ州発:クレイ3Dプリンターベンダー Vormvrij はこのほど、「LUTUM® 」シリーズ最新製品「 LUTUM 4 」を発表した。

従来のクレイ3Dプリントではその素材に起因する精密さに欠ける仕上がりの粗さが弱点とされていたが、この最新型クレイ3Dプリンターではそうした欠点を克服しているという。最大造形サイズも従来製品(43 x 42 x 44 cm) と比べて大型化し、43 x 46 cm の造形ベッド上で最大高 51cm までの3Dオブジェクトがプリント可能。プリンター筐体はフルアルミボディになり、また内部配線レイアウトも変更されて配線はすべて金属構造体の最奥に収納され、耐水・耐塵仕様となっている。エクストルーダーはステンレス鋼製で、ノズル径は 0.6 − 7 mm、層厚は 0.5 − 2.5 mm。他に電源オフ時に気流を遮断する自動式安全バルブや緊急停止ボタンといった安全機構も標準装備する。

「 LUTUM 4 」はスタンダードモデル、 最大造形サイズ 80 cm までの「 v4 MXL 」、そしてデュアルノズルタイプの「 v4 DUAL 」の3製品のラインアップ。工場渡し本体価格は 6,350 EUR[税抜き]から。単一ノズルタイプのスタンダードおよび「 v4 MXL 」についてもデュアルノズル化は可能。




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2018年6月23日土曜日

HP、広東省に3Dプリントセンターを開設

中国・広東省発:米国 Hewlett-Packard(HP, NYSE:HPQ) はこのほど、中国広東省の仏山市内に3Dプリントセンターを開設、運用を開始した。

この新しい3Dプリントセンターは広東省蓝湾知能技術研究所が運営に当たり、同研究所は HP のマルチジェットフュージョン搭載3Dプリントシステム各製品を使用して自動車やオートバイの部品、およびコンシューマー向け部品などの試作や製造を行う。HP の説明によると、独自開発のマルチジェットフュージョン技術は重量 4.5 トンの物体を吊り下げできる強度を持つチェーンリンクを 30 分で出力可能としている。

同研究所代表の話「製造工程のデジタル化の進行とともに、製品レベルの3Dプリントパーツの需要は今後数年で幾何級数的に拡大するだろう。HP のマルチジェットフュージョン技術を展開することで、われわれは中国国内においても最終製品レベルの部品をより短期間・低コストで顧客に提供可能になる」。

また独 Siemens も最近、同様の3Dプリントセンター拠点を英国内に設置する計画だと明らかにしている。

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2018年6月15日金曜日

カナダ大西洋州の病院などに3Dプリンターを寄贈

カナダ・ニューファウンドランド / ラブラドール州発:ニューファウンドランドメモリアル大学(MUN)の3Dプリント関連研究機関 MUN MED 3D lab は現地時間 6 月 5 日、セント・アンソニーの Dr チャールズ S. カーティス・メモリアル病院に3Dプリンター1台を寄贈した。

3Dプリンターを同病院に贈ったのは同研究所 MED 3D Network リーダー Sivaruban Kanagaratnam 博士らのグループ。3Dプリンターは最新型の Ultimaker で、PLA などのフィラメント素材を加熱して積層する FDM 方式のデスクトッブ型。同グループはまた、地元の教育機関ホワイトヒルズアカデミーに通う高校部の生徒たちにも同製品を贈呈した。贈呈式のプレゼンテーションでは人間の大脳や心臓、骨盤、頸部といった体の部位のほか食べ物、開頭術のシミュレーターも展示された。

MED 3D Network は MUN MED 3D lab の派生部門で、ニューファウンドランド / ラブラドール州をはじめとするカナダ大西洋州における体験学習促進および地域医療の向上を目指している。同グループは3Dプリントラボの開設も推進しており、カーボニア、セントアンソニーにつづき、ハッピーバレー・グースベイにも開設した。

3Dプリンターは今年秋までに計 6 台がカナダ大西洋州各地に寄贈される予定だ。

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2018年5月31日木曜日

英研究者グループ、人工角膜を3Dプリントで作成することに世界で初めて成功

英国・タインアンドウィア州発:将来、バイオ3Dプリントで作成した人工角膜で、全世界の 1,000 万人が光を取り戻せるようになるかもしれない。

ニューカッスル大学の再生医療研究者 Che Connon 教授率いる研究グループはこのほど、人間の幹細胞から作られたバイオインクを使用して人工角膜を3Dプリントで作成することに世界で初めて成功した。同グループの研究成果は学術誌 Experimental Eye Research 電子版最新号で発表された。

Connon 教授らによると、健康な人の角膜から採取した幹細胞にアルギン酸ゲル、コラーゲンを加えた混合ゲルから作られたバイオインクを原料として使用したという。このバイオインクのカートリッジを市販のシンプルなバイオ3Dプリンターのノズルにセット。バイオ3Dプリンターにはあらかじめ実際の人の角膜の精密な3Dデータをテンプレートとして読み込ませてあり、プリントアウトされた人工角膜は、ゲル基盤上にコンタクトレンズ状の形状に生成されて出力される仕組み。

今回はあくまで概念実証段階であり、人工角膜移植といった患者への応用はただちにはできない。とはいえ、現在の角膜移植手術はすべて角膜提供者からの提供に頼っている現状を大きく変えられる可能性を秘めている。Connon 教授のグループによると、この画期的な新方式が失明した人に応用可能となったとき、たとえばひとりの提供者から提供された角膜細胞から 50 人分の人工角膜が作成可能になるだろうとしている。




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2018年5月15日火曜日

3DPrinterOS と Microsoft がクラウド管理型3Dプリンターソフトバンドルを発表

米国カリフォルニア州発:Microsoft はこのほど、クラウド型3Dプリンター OS プラットフォーム 3DPrinterOS(運営主体 3D Control Systems Ltd )と協同で、企業ネットワーク内での3Dプリンター導入を容易にするソフトウェアバンドルを発表した。

今回発表された両社の新ソフトウェアバンドルは Microsoft Azure クラウドプラットフォームを介して、ユーザー企業側がイントラネット内で3Dプリンターの展開を安全かつ容易に行える仕組み。Fortune 500 リスト企業の約9割がすでに Microsoft Azure の契約ユーザーであり、Azure 経由でただちにソフトウェアバンドルを展開可能になる。

ユーザーは事前承認済み IT ソリューションを3Dプリンターのセキュアな管理に使用でき、さらに ISO 27001 や HIPAA といったセキュリティおよび個人情報保護関連の基準に準拠した Azure クラウド上で 3DPrinterOS のサービスが利用可能になり、イントラネット経由でファイル等の共有もできる。ユーザー企業の IT 担当部門は、Azure のセキュアなクラウドにアクセスできればどこにいても3Dプリントが実行でき、同時に多数のエンジニアもユーザー企業側のイントラネット経由でアクセス可能だ。

3DPrinterOS の対応3Dプリンターは Ultimaker、MakerBot、LulzBot など。

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2018年5月13日日曜日

皮膚組織が再生可能な新型バイオ3Dプリンターの試作機を開発

カナダ・オンタリオ州発:トロント大学の研究者グループはこのほど、人間の皮膚組織を再生可能なバイオ3Dプリンターの試作機を開発し、ナノテクノロジー関連専門誌 Lab on a Chip 電子版上に発表した。

同グループによると、今回開発したのは皮膚細胞、コラーゲンおよび線維素(フィブリン)から構成される特殊ゲルを使用したバイオ3Dプリンター。ラベルプリンターとグルーガンのハイブリッドのような外観を持つ試作機は、水圧を利用してバイオインクを押し出す仕組み。皮膚上に生じた傷口をこのバイオインクが覆って、皮膚組織を再生させるというもの。

現在、臨床試験には被験体となる動物保護や、人体の場合には時間がかかりすぎる等、解決すべき問題がある。だがこのようなバイオ3Dプリンターを導入すれば、医療現場で安価に、そして容易に代替治療が行えるようになる。同グループ研究主筆らは、将来的には交換可能なカートリッジ式システム開発を目指すとしている。



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2018年5月6日日曜日

ターメリックパウダー成分配合のセラミック3Dプリントで骨組織再生率が 30 % 以上も向上

米国ワシントン州発:ワシントン州立大学の研究者グループはこのほど、骨組織にカレー原料のひとつターメリックパウダーに含まれる成分を配合した足場材をセラミック3Dプリントで生成したところ、骨組織が 30 - 45% ほど多く再生できたと専門誌 Materials Today Chemistry 電子版上に発表した。

今回の研究では生物的適合性セラミック素材から3Dプリントで足場材を生成し、そこに骨組織増加を促進する細胞を移植。これは骨粗鬆症などの骨疾患に用いられる手法だが、現行方式には骨組織再生サイクルとバランスがとれない、または骨組織の組成上の問題があった。

そこで同グループはターメリックパウダーに含まれる有効成分クルクミンを親水性ポリマーに封じ込め、それを3Dプリントで生成したリン酸カルシウムの足場材にコーティング。すると新しく再生した骨組織細胞および血管組織の活性力と増殖力がともに向上。自然治癒力も従来方式より高まったという。

天然由来成分には消炎作用や感染制御、および抗癌特性といった利点が多く含まれており、同グループでは今後、アロエベラ抽出物、サフラン、ビタミンD、ニンニク、オレガノ、ショウガといった天然に見出される有効成分を骨疾患治療に応用できないか検討するという。

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2018年4月30日月曜日

人体に直接プリントできる3Dプリント電気回路を世界で初めて試作

米国ミネソタ州発:ミネソタ大学の研究者グループはこのほど、人体へ直接電気回路を3Dプリントする技術を開発し、学術誌 Advanced Materials 電子版に発表した。

同グループが開発したのは改造を施した市販の廉価な3Dプリンターを使用して、銀インクベースの電気回路を直接、人間の皮膚上にプリントするという技術。将来、戦場にいる兵士が化学兵器や生物兵器などの検知を可能にすることに応用できるという。人体に電気回路を直接3Dプリントする技術は今回が世界初。

論文の代表著者 Michael McAlpine 氏によると、3Dプリント回路はマーカーを通じて皮膚の動きや形状変化を感知でき、皮膚の動きに応じて回路形状を安定させているという。素材の銀インクは従来のように 100°C を超えるような高温ではなく、室温で固結する特殊な導電素材を使用している。同氏は今回開発した技術について、「その場で必要なものすべてがこのウェアラブル3Dプリントツールひとつで用意可能になる、スイスのアーミーナイフのようなツール」と説明する。




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2018年4月22日日曜日

世界最強・最長の3Dプリント製「メガチェーン」が初披露へ

ドイツ・レックリングハウゼン郡発:3Dプリントソリューションの EnvisionTEC は、世界最強の超高剛性3Dプリント素材で製作したチェーンを初披露する。

同社の開発した史上最強の3Dプリント素材「 E-RigidForm 」はポリウレタンに似た樹脂素材で、引張強度 68-73 MPa、伸び率 7% まで耐えられるという高強度を持ち、試作品製作用途、最終製品製造用途どちらにも適しているという。公開される E-RigidForm チェーンの全長は約 100 mで、これは単一3Dプリント製チェーンとしては史上最長記録。16 層からなり、ジョイント総数は 6,144。

同社はこの世界最長の単一3Dプリント製チェーン製作に当たり、「 Xede 3SP 」3Dプリンターを延べ 4 日と99時間、無人稼働させて完成させた。設計から製品完成までには 2 週間以上かかっている。

「 E-RigidForm 」の発表で同社の持つ3Dプリント樹脂素材の製品ラインアップ数は歯科技工業界認定のキャスタブル樹脂も含め 50 に達した。この3Dプリント「メガチェーン」は 4 月 24 - 26 日に米国テキサス州フォートワース市内で開催される「 RAPID + TCT 」に出品される。

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2018年4月14日土曜日

GE Additive が3Dプリント最新技術と今後の展望を発表

米国オハイオ州発:GE Additive はこのほど、同社設立からの軌跡と今後の金属を含む AM 部門の展開について、同社戦略担当主任が発表を行った。

GE の AM 部門として 2016 年に設立された同社はその年のうちに金属3Dプリンターベンダー Arcam AB( スウェーデン )と Concept Laser( ドイツ )2 社を買収。同社は 2 社買収前から AM 部門を強化しており、航空機製造部門 GE Aviation は同社供給の「 LEAP 燃料ノズル」を含む金属3Dプリント製エンジン部品の使用率を 40 % にまで引き上げている。

AM 部門の展望については「 A.T.L.A.S 」と銘打たれたプロジェクト、M Line Factory および Binder Jet プラットフォームに関する説明があり、4 月 23 − 26 日に開催される AM 関連イベント「 RAPID + TCT 」に出展予定の同社最新技術「電子ビーム溶結法( EBM )」についてのプレビューも披露された。

現在、同社は 1,000 以上もの AM 関連プロジェクトを進めており、AM 市場は今後 10 年以内にも 760 億ドル規模にまで達すると予測している。

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2018年4月3日火曜日

油の除去方法を一新する可能性を秘めた3Dプリント微小構造物を開発へ

米国カリフォルニア州発:南カリフォルニア大学の研究者グループはこのほど、自然界の葉の形状にヒントを得て3Dプリントで作成した微小構造物の開発に取り組んでいる。

同グループによると、開発する上で着目したのが南米ブラジル原産のオオサンショウモの構造。オオサンショウモは疎水性のある構造で、浮袋のように水面に浮くことができる。同グループではこのオオサンショウモの撥水構造を3Dプリントで再現した微小構造物の製造と実用化に向けて研究を進めている。これが実用化できれば、たとえば原油流出事故などの人為的原因による海洋汚染の際、汚染物質と海水とを分離可能になるとしている。

同グループが使用した3Dプリント技術は一般的な FDM 方式ではなく、「表面浸漬積層法 ISA-3D printing 」と呼ばれる方式のもの。同グループはこの3Dプリント技術でプラスチック樹脂とカーボンナノチューブ素材からオオサンショウモを模した泡立て器のような構造の並ぶ微小構造物を試作した。同グループはこれから実施する検証作業で疎水性および油分を吸着する毛細管現象が確認されれば、油の除去作業を一新できる可能性があるとの期待を示す。




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2018年4月2日月曜日

新方式の3Dプリント住宅がお披露目へ

フランス・ロワール=アトランティック県発:現在、ナント大学や建設大手 Bouygues S.A. など5つの企業と団体グループが協業して、3Dプリント住宅プロジェクトが進められている。

この3Dプリント住宅プロジェクト「 Yhnova 」は 2017 年9月に発足。同グループはこのプロジェクトによる床面積 95 m² の住宅を3Dプリントで完成させており、3 月21 日に竣工式を執り行った。

同プロジェクトが完成させた3Dプリント住宅は 5 室からなり、ナント大学研究者らが開発した建築用3Dプリントの特許技術「 BatiPrint3D 」を使用して建造したもの。レーザー誘導で自律動作する全長 4 m のロボットアームが組成の異なる建材を決められた形状に積層してゆく仕組み。従来方式のようなコンクリート混合物のみを積層するのではなく、泡状素材、断熱素材、構造素材の 3 素材を独自開発のコンクリート混合物から生成して積層する。

この3Dプリント住宅「 Yhnova 」のオープンハウスイベントは 4 月 7 日に開催され、6 月にも最初の入居者を受け入れる予定。入居者は住宅供給公社の基準により必要だと判断された家族世帯の希望者から選抜される。




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2018年3月24日土曜日

Massivit、高速造形大型3Dプリンター「 Massivit 1500 Exploration 」を発表

イスラエル発:産業向け大型3Dプリンターベンダー Massivit 3D Printing Technologies はこのほど、新型3Dプリンター「 Massivit 1500 Exploration 」を発表した。

「 Massivit 1500 Exploration 」は2016 年に同社が発売したフラッグシップモデル「 Massivit 1800 Exploration 」の下位製品。「 Massivit 1800 Exploration 」の最大造形サイズは 145 x 117 x 180cm なのに対し、こちらは 145 x 117 x 147 cm。上位製品と同様、中空構造の軽量オブジェクトの出力が可能で、POP ディスプレイ用3D造形物に最適な製品だとしている。3Dプリント技術は同社独自の「ゲル分配プリント」方式。垂直方向 250 mm / sec、Z 軸方向 300 mm / h という高速プリントが特徴。

「 Massivit 1500 Exploration 」は今月 24 日まで開催のデジタルサイネージの見本市「 ISA Sign Expo 2018 」でお披露目された。

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2018年3月18日日曜日

音質は落とさず耳を保護できる3Dプリントイヤプラグが登場

ベルギー発:アントウェルペン市に本拠を置くスタートアップ Loop bvba はこのほど、耳鳴りを軽減する3Dプリントイヤプラグ( 耳栓 )を発表した。

同社によると、見た目の悪い従来の耳栓の欠点を解消するお洒落なイヤプラグを作るために3Dプリント技術を採用したという。この3Dプリントイヤプラグの音響チャネルはオランダの聴力保護具トップメーカー Dynamic Ear Company が開発したもので、音楽など必要とする音のみ耳に通し、それ以外のノイズはカットするよう設計されており、耳に入る音楽は高音質が維持される画期的製品としている。カラーバリエーションはゴールド、ブルー、レッドを含む8色が用意されるなど、どんな服装でもフィットするような製品作りがなされている。

世界保健機関( WHO )の統計によると、ライヴやクラブなどの大音響のために耳になんらかの問題を抱える若年層は3人に1人にのぼるという。それでも若者は耳栓をしてまで外出しようとは考えない。同社は高音質かつクールデザインのイヤプラグ製品で、この流れを変えたいとしている。

3Dプリントイヤプラグはシリコン製の予備イヤチップが 4 本、フォームタイプのイヤチップが 2 本、およびレザーの携帯ポーチ付き。販売価格は 29.95 ユーロ。

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2018年3月10日土曜日

独レーザー技術研究所が LMD 3Dプリントの欠点を克服する自動計測システムを開発

ドイツ発:フラウンホーファーレーザー技術研究所( Fraunhofer ILT )はこのほど、レーザー粉体肉盛法( LMD )の欠点を克服する新しいインライン自動計測システムを開発した。

レーザー粉体肉盛法はレーザークラッディングを応用したレーザー焼結式3Dプリント技術のひとつ。補修や耐食コーティング用途に使用されているが、レーザービームが金属粉体に均一に照射されないと、仕上げ精度の劣る製品になる欠点がある。均一照射を実現するためには照射ノズルや焼灼剤のキャリブレーションといった面倒な作業が必要になり、またこの作業が行えるのは高度な技術を有する一部の専門家に限られていた。

同開発チームはこの欠点を解決すべく、ハード側で全て調整を実行するインラインシステムを開発した。このシステムはレーザー照射を監視するカメラをマシニングヘッド上に設置し、組み込みレーザーモジュールでノズルの微調整する。制御電子基盤は制御キャビネット組み込みと独立式とが用意されている。この自動制御機構により、金属粉体の濃度分布および焼灼剤配分を自動計測して調節する仕組みだ。

同研究所ではレーザーとマシニングヘッドの相対位置決めを変更しながら 3000 枚もの撮影画像から統計的分布を割り出し、自動制御評価に活用している。このインライン自動計測システムは 4 月 24-27日にシュトゥットガルト市内で開催される「 CONTROL 2018 」に出展される予定。

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2018年3月4日日曜日

完全デジタル作成の3Dプリントケーキ試作品が登場

米国ペンシルベニア州発:フィラデルフィア市でデジタルデザインプロジェクトを企画運営する Budmen Industries LLC はこのほど、3Dプリントケーキ「 Neon Nom Noms 」の試作品を発表した。

3Dプリントケーキを試作したのは Steph Keefe 氏率いる制作チーム。ケーキデザインも3Dモデルで起こされたもので、3Dモデルの特性を生かした幾何学的に複雑な形状のケーキに仕上がっている。Keefe 氏によると、「 Neon Nom Noms 」のデザインはカリブ諸島で見た貝殻の複雑な構造が着想源になっているという。3Dモデリングののち、素材はシリコン型に入れられて焼かれ、最後にエアブラシで着色した。使用されたのは同社のために用意された特注の3Dプリンター。

見た目と同じく生地本体も単一素材ではなく、ダークチョコレート、マッシュルーム、プレッツェル、ヌガーと甘さと辛味の絶妙なコンビネーションを生み出しているとしている。現時点ではまだ食べることはできないものの、「キッチンにおける3Dプリントの未来は明るい。3Dプリンターさえあれば、精確かつどのような形状の食品も作れる無限の可能性がある」。

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2018年2月25日日曜日

3Dプリントフラワーでミツバチの生息数を回復へ

オーストラリア・クイーンズランド州発:世界各地でミツバチ( セイヨウミツバチ )のコロニー崩壊と生息数減少が問題化して久しいが、オーストラリア在住の前衛芸術家が3Dプリントを用いてこの問題の解決を目指している。

ブリスベン市に住む Michael Candy 氏の「 Synthetic Polleniser 」は、3Dプリントで製作した一種のロボットフラワー。この人工の花には花粉と花蜜を供給するチューブがあり、通常の自然界の花の間にこの3Dプリントフラワーを混在させその花粉と花蜜でミツバチを誘ってハチの受粉活動を助ける、というアイディアだ。

この3Dプリントフラワーはナノハナ型で、雄しべまである。花蜜はモーター駆動で花びら表面までチューブによって運ばれる仕組み。

ただ、野生のミツバチをこの3Dプリントフラワーに引き寄せ受粉させるのはそんなに簡単ではなく、試行錯誤の連続だったと同氏は言う。「この人工の花にミツバチを誘引して受粉してもらうまでには何年もかかった。野生のミツバチの花を識別する能力には様々な方法があるため、ハチを惹きつける形状や色にするにはどうすればよいか、というのは重要になる。将来、遺伝子改変されたデザイナーズ・フラワーが自分で花粉を生産することができず受粉のみできるという状態になった場合でも、この3Dプリントフラワーシステムなら失われた生殖サイクルを回復させることができるかもしれない」。




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2018年2月18日日曜日

平昌五輪リュージュ競技、米国チームは3Dプリントスレッドで参戦

韓国発:韓国の平昌で開催中の第23回オリンピック冬季競技大会リュージュ競技に、米国チームは3Dプリントで製作されたパーツを組み込んだスレッドで臨んだ。

米国リュージュチームに3Dプリントパーツを提供したのは Stratasys の技術者グループ。選手に合わせて特注で製作されるリュージュ2人乗り用スレッドは、従来の製法では時間もコストもかかっていたが、3Dプリントなら比較的短時間で試作を繰り返すことができる。同技術者グループによると、競技用スレッドには高性能の複合素材が使用されており、性能を犠牲にすることなく自由なデザインの製品出力が可能な3Dプリントはまさに最適な製法だとしている。

[ 現地時間 2 月 14 日に行われた「リュージュ2人乗り」競技における米国チームの結果:8位 ]

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2018年2月10日土曜日

ブリストル大研究者が3Dスキャン調査で「年下の女性のミイラ」をネフェルティティと特定

英国発:ブリストル大学の考古学研究者らはこのほど、19 世紀末にエジプトの「王家の谷」で発見された「年下の女性のミイラ」が第 18 王朝のファラオ、アクエンアテン( Akhenaten )の妻ネフェルティティ( Nefertiti )の可能性があると発表した。

この「若い女性のミイラ」は 1898 年、仏人考古学者ロレ( Victor Loret )が「王家の谷」で発掘した「KV 35」と呼ばれるアメンホテプ2世( Amenhotep II )の墓所内部で発見した複数のミイラのうちの 1 体で、長年、その出自が謎とされてきたもの。同博士らのグループはエジプト考古省から許可を受けて同ミイラを保護ケースから取り出して3Dハンディスキャナーで顔を3次元マッピング。解析した結果現れた顔は、古来から伝えられてきたネフェルティティの顔の特徴と見事一致したという。

同大エジプト学者 Aidan Dodson 博士は3Dスキャン調査に基づく「年下の女性」ミイラのデジタル複顔を行い、2005 年にツタンカーメン王( Tutankhamun / Tutankhamen )の顔を復元した復元彫刻家 Elisabeth Daynès 氏によってその顔が甦った。

Dodson 博士の話「これは驚くべきことだ。最新の DNA 鑑定データと突き合わせると、この『年下の女性』のミイラはネフェルティティ王妃以外に考えられない」。

今回の成果をまとめた番組のプレゼンターを務める Josh Gates 氏も博士に同意する。「顔の骨格構造や特徴など、古代に彼女について書かれた記録と矛盾がない。私もこれがネフェルティティの真実の顔だと信じている」。

3Dスキャンデータから生前の顔を復元したのは仏人彫刻家の Elisabeth Daynès 氏。同氏は 2005 年、ツタンカーメン王の顔を復元したことでも知られる。今回の複顔と胸像製作には述べ 500 時間かかり、さらに Dior 所属デザイナーによるハンドメイドの装身具で飾られた。Josh Gates 氏の番組 Expedition Unknown は全2回シリーズで、Travel Channel で米東部時間の 2 月 14 日に放映される。




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2018年2月4日日曜日

技術者集団が共生可能な AI ロボットを3Dプリントで製作

スペイン発:バルセロナ市を拠点に活動する技術者、デザイナーおよび建築家の集団 Noumena はこのほど、人工知能( AI )やロボットがどのような進化を遂げて今後も発展するかについて、3Dプリントも一部活用したインスタレーション「 Robotic Habitats 」を製作した。

「 Robotic Habitats 」は 2017 年 9-10 月にかけてエストニアの首都タリンで開催された「タリン建築ビエンナーレ」で展示された。このインスタレーションのコンセプトは自律型 AI ロボットが人間の必要とするリソースをめぐって競合することなく「共生」するよう進化するというもので、ロボットの外観は巨大な昆虫を思わせる。

インスタレーションで展示された甲虫のようなローバー型 AI ロボットの場合、メイン回路に Arduino、Kinect モーションセンサーを搭載して直流モーターで動き、甲殻部分が3Dプリントされた数パーツを組み合わせてできている。タリン市内での展示では、これらの AI ロボットが 5 m 四方の人工の砂地環境に入れられ、動き回ったり排泄の要領で予め仕込まれた菌糸体を排出したりした。同集団によれば、こうすることで砂地に新たな生物環境が構築される助けになるという。

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2018年1月29日月曜日

医療向け3Dプリントサービス会社がシリーズAラウンドで総額 50 万ポンドを調達

英国発:医療向け3Dプリントサービス会社 3D LifePrints UK Ltd( 3DLP ) はこのほど、ベンチャー投資のシリーズAラウンドで不動産関連会社 Fenwall Investments Ltd と総額 50 万英ポンドの資金調達で合意した。同社は 2016 年にも、シードラウンド企業として資金調達に成功している。

同社は英国の国民保健サービス( NHS )認定医療機関および研究機関向けに実物大3Dプリントモデルなどの供給サービスを提供する一方、ソマリアやマリなどの紛争地帯の住民向けに地雷の3Dプリントモデルを製作して対人地雷撲滅のための教育活動も展開している。

同社によると今回のシリーズA投資ラウンドの成功により、バイオ工学者や3D関連技術のエキスパートの増員を図り、研究開発費の増資を継続するとしている。

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2018年1月21日日曜日

スペイン造船大手が3Dプリントを含む先端技術を造船工場に導入へ

スペイン発:造船大手 Navantia, S.A. はこのほど、南部アンダルシア州の港市プエルトレアルの同社造船工場に3Dプリンターを含む最先端技術を実装する研究開発計画 「Shipyard 4.0」をスタートさせた。

同社造船部門トップ Pablo Lopez 氏は同計画について、「Shipyard 4.0」は「コスト削減、期日厳守、製造品質向上により、競争優位の持続可能性を達成するという明確な目的を持つ」と話す。「将来、引き続きこの技術は弊社の生産部門の基礎となるだろう」。

「 Shipyard 4.0 」計画における3Dプリント技術導入に当たり、同社は2年前にカディス大学と提携してプロジェクトを始動させた。同大学材料およびナノテクノロジー関連研究グループ「 INNANOMAT 」が、同計画に必要な資源および援助を提供している。その最初の成果が 2016 年末、新造船に初めて3Dプリントで製造したモジュール式トイレの設置であり、既存船への3Dプリント通気グリルの設置がそれに続いた。

同社によると長期的には IoT、AI、AR といった先端技術も実装予定だとしている。

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2018年1月14日日曜日

Polaroid が FDM 3Dプリンター 4 製品を今春発売へ

米国ネバダ州発:PLR IP Holdings, LLC 傘下の Polaroid はラスベガス市内で開催された家電見本市「 CES 2018 」に新型デスクトップ3Dプリンター 4 製品を発表した。

同社が CES 2018 で発表したのは「 Nano Duo 」、「 Nano Mini 」、「 Nano Glide 」、「 Nano+ 」の 4 製品。「 Nano Duo 」はその名の通り 2 基のエクストルーダーを搭載する2色同時プリント可能な FDM 3Dプリンター。 Wi-Fi と専用スマートフォンアプリを使用した遠隔操作に対応したモデルで、対応素材は ABS、TPU、PLA、ウッドライクフィラメント。最大造形容積は11.8 x 8.8 x 12.6 インチ( 約 30 x 22 x 32 cm )。販売開始は 4 月を予定しており、販売価格は 1,849 米ドル。

「 Nano Mini 」は3Dプリンター初心者向け低価格製品で、ボタンひとつで操作可能なユーザーフレンドリー設計。超静音モーターの採用で、家庭や学校での使用に最適としている。対応素材は PLA ( Φ=1.75 mm )で、最大造形容積は 3.1 x 3.1 x 3.5 インチ( 約 7.8 x 7.8 x 8.9 mm )。「 Nano Duo 」同様に 4 月頃の出荷を予定しており、販売価格は 349 米ドル。

「 Nano Glide 」はスライド式造形ベッドを採用したやや大型の FDM 3Dプリンター。最大造形容積は 4.7 インチ³( 約 11.9 mm³ )。対応素材は PLA ( Φ=1.75 mm )で、フィラメント切れを自動で知らせるスマートセンサーも内蔵する。本体は子供の安全に配慮したドアで覆った密閉式で、販売価格 479 米ドルで同じく 4 月頃の出荷開始を予定している。

「 Nano+ 」は上位機種「 Nano Duo 」と同じく Wi-Fi と専用スマートフォンアプリを使用したリモート制御に対応したモデルで、スマートセンサー、密閉式本体の FDM 3Dプリンター。最大造形容積は 11 インチ³( 約 27.9 mm³ )。販売価格は 549 米ドルで、こちらは 3 月頃の出荷を予定している。

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2018年1月7日日曜日

XYZprinting、「 da Vinci Nano 」改良版と新型フルカラー3Dプリンターを発売へ

台湾発:XYZprinting, Inc. は現在発売中のエントリー向け低価格デスクトップ型 FDM3Dプリンター「 da Vinci Nano 」の改良版を 2018 年前半にも発売すると発表した。

「 da Vinci Nano 」は昨年発売されたモデルで、今回発表されたのはこの現行製品にモバイルアプリ経由で遠隔操作を可能にする新機能を追加したバージョンになる。販売価格は 229 米ドルを予定している。

また同社は安全に配慮した子供向け3Dプリントペン「 Vinci 3D Pen Cool 」および「 da Vinci Color AiO 」も発売すると発表した。「 da Vinci Color AiO 」は現行機種「 da Vinci Color 」に3Dスキャン機能を統合したフルカラー3Dプリント可能なデスクトップ FDM3Dプリンターで、2018 年中頃の市場投入を予定している。吸色性 PLA フィラメントにインクジェットで塗布することでフルカラープリントを実現している。販売予定価格は「 Vinci 3D Pen Cool 」が 45 米ドル、「 da Vinci Color AiO 」が 3,999 米ドル。

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